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詩の目次

「コスト」 「弓と矢」 「わかってる understand」

作者: 冬野三月

「コスト」

食事する

消費する

浪費して

絶滅していった

生き物たちにさよなら

失くしたものにさよなら


戦争も鑑賞して消費して

消えていくいのちいのちいのち無限大


意味のない世界

意義のある人生

消費を繰り返して過ぎていく毎日


日常は消費の連続体

非日常に価値を見出して

繰り返す消費消費消費無限大


てのひらを開いて何がある

確かにあったものが消えていくのが確かにわかる





「弓と矢」

姿勢を正して

弓を目いっぱいに引き絞る


視線を定める

届くだろうか

風を読む


自身の呼吸に耳を澄まし

言葉を無限の狭間に溶かして

指を離す


矢が放たれる


矢は一匹のけもののように

人の目では追えない速度で宙を駆け

『私』から遠ざかっていく


空間を切り開いて

空気に殺される速度に逆らって

力強く揺れながら


そして彼方から

すとん

という音が

耳に届いた





「わかってる understand」

お前は誰だと訊かれたら

俺は俺だと答えるよ


お前は満足してるのかと訊かれたら

俺は満足してると答えるよ


わかってる わかってる わかってる


わからないとわかってる



わたしは誰だと訊かれたら

お前はお前と答えるよ


答えは誰にも用意できない

掴み取ったら皆そのまま進むだけ

後ろを振り返ってる暇はない

命は短い

時間は有限

そして現在が積み上げられる


わかってる わかってる わかってる


わからないことも今だけわかった


そしたらどうする

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