1話「プロローグ─出会い」
3話が山場の1つなっているので、出来ればそこまで読んでいただけると幸いですし、楽しめるとおもいます。
前書き失礼ました。それでは楽しんでください。
------朝
目が覚める。時計を確認する。
AM 5:12 9/1 月
「はあ……」
憂鬱だ。夏休みは終わりつまらい学校生活が始まる。
一般的に見ても早い朝。
だが、男は二度寝する訳でも無く、
早く起きたことを後悔する訳も無く、起床する。
男から見ても早い朝。
無論このような早い時間に起きずとも、学校に遅れることは無い。
では何故このような時間に起床したのか、
それは──
この男にはやらなくてはならない事。
否、やりたいことがあるからだ。
用を足し、顔を洗い、前日に購入したパンを食べ、
歯を磨き、着替える。
そんな当たり前の事をして家を出る。無言で…
「あっ」
おっと、そうだそうだ今何時かな。
携帯電話を取り出し、現在の時刻を確認する。
AM 5:41 9/1 月
「よし、間に合うな」
思えば、この日の出来事はよく覚えている。
なんてったって人生の転機。
ターニングポイントみたいな日だったからな。
男── 新宮瑠璃は自宅のドアを開け目的地へ向かう。
------目的地へと向かう道
さて、道すがら暇なので自分語りでもしよう。
新宮瑠璃、市内の公立高校に通う高校一年生。
俺には趣味というか特技というかちょっと変わってるところがある。
それは、脳内妄想で殺人をすることだ。
最初は暇な授業中に殺人鬼が来たらどうするか、なんて事を考えてたんだ。
どうやって逃げるか、もつしくは戦うか。
筆箱の中のコンパスやシャーペンでも使って目を潰すか、椅子を投げて牽制して逃げるか、はたまた超能力に目覚めて敵をぶっ飛ばすか、なんてな。
そんな事を考えてたら次第に俺の思考はどうやって人を殺すかって事を考え始めた。
やばい思考だって事は俺でも分かる。
でもさ、それがそれが楽しくてたまんないんだよ。
嫌いな奴とか嫌いじゃない奴でもどんな感情でどんな方法で殺すのか、考え始めたらキリが無い。
おっと、勘違いしないでくれよ。
俺は現実で人を殺ろそうとか思ってないからな。
将来の夢は快楽殺人鬼なんてまっぴらだ。
そこんところの道徳心は持ち合わせてる。
だからこその妄想なんだよ。
えっ?
そんな話どうでもいいから今どこに向かってるのか教えろよって?
焦るなって、まぁ、大したことじゃない。
結論から言うとコンビニだよ。
目的はもちろん、週刊少年ステップだ。
月曜だからな。
勿論立ち読みじゃないぜ。ちゃんと購入する。
ついでにコーヒーとパンも買ってイートインだ。
家に居なくてすむしな。
にしても、ステップはいいぜ。
色んな作品が載ってるし、メジャーな作品が多いから友達との話題にもなる。
作品の数だけ作家がいる。
作家の数だけ考え方がある。
ステップはバトル物が多いから殺しの参考にもなる。
だから俺は月曜だけは早起きする。
普段はこんな朝早くだと車はたまにしか通らないし
人となんてすれ違わない。
でも今日は違った。
向こうから人が走ってきた。ランニングだろうか。
黒のTシャツにグレーのパンツ
黒いメガネ、俺と同じメガネ族か。
ポニーテール、そう女だ。しかも結構美人。
俺はその女性の瞳に吸い込まれるように見蕩れてしまった。
ただ単に美人だったからじゃない。
俺と同じ目をしていたからだ…
えっ?それってどんな目だよって?
おいおい、俺の自分語り聞いてただろ?
妄想殺人鬼の目だよ。
いやちょっと語弊があるか。
それだとあの女性も殺人妄想してるみたいに聞こえるよな。
それは違う。
なんて言うか、人の死に関わってるやつの目だ。
人を殺したいって思ってたり、あるいは既に殺してしまった目。
俺も一時期似たような目をしてたから分かるぜ。
目を合わせないように、スマホを取り出しゲームをするふりだ。
「タッタッタッタ」
よし、すれ違った。
その刹那、後ろから左肩をつつかれ話しかけられた。
「あのぉ」
やばい殺される!!
そう思い、俺は驚き戦いて悲鳴を上げる。
「うわっぁぁ!!」
「えっ、そんな、びっくりしないでよぉ」
女性は落ち着いた声で話しかけてきた。
殺気はないな。もっとも、殺気なんて浴びたことないから分かんないけど。
「あのさ、君ぃ、私と同じ…」
「ち、違います!!」
そうか、俺が同じ目をしてるって思ったんだ。
相手だって同じ事を思ってもふしぎじゃない。
そう思い俺は相手の言葉を遮り否定した。
「えっ?でも、その制服西高だよね?」
「へっ?」
想定外の事を聞かれ腑抜けた声が出た。
なんだ、気のせいだったのか。
よくよく見たら普通の人だ。人を殺したい目?
んなわけねぇな。
普通の美人さんだ。
それより会話を続けよう。
「そうですけど、僕と同じってどういう事ですか?」
「あぁ、そらは私今日から西校に転勤なのよぉ」
転勤って事は教師か。
「この時期にですか?」
「うん、変だよねぇ」
「えっ、ええ」
やばい緊張する。コミ障炸裂してきた。
あっ、そうだ担当教科とか聞いた方がいいのかな。
でも早くコンビニいきたいな。
「あっ、自己紹介まだだったね。
私一年五組の副担任をやらせていただきます。
奥羽一美です。担当教科は日本史。
君は何組かな?」
そうこうしてる間に聞きたかったことを答えてくれた。
なんで畏まった喋りかたなんだろう。
てゆうか、本当に同じだ。
「えっと、僕は新宮瑠璃。僕も一年五組です」
「え!?うそぉ同じじゃん!!よろしくね、るり君?」
「あっはい、よろしくお願いします」
そう言って俺は踵を返しながら別れを伝える。
「じゃぁ、用があるんで、失礼します」
「うん、じゃあまたねぇ〜」
こうして俺は先生と出会った。
読んでいただきありがとございます。次回は、学校内でのお話です。
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