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最弱種族のニューゲーム  作者: さくあ
9/39

微かな希望と2度目の偽物

~前回のあらすじ~

コウマとショートは王様の依頼を受け

ドラゴン討伐のため北の山に向かったが、

結局依頼を放棄するのだった。


北の山から戻った2人は酒場にいた。


「ショートはこれからどうするんだよ?」


「まずはレベル上げかなぁ?」

「俺大地に出てきたばっかだから」


「そうだったのか!?」

「連携に少しなれてたから初心者だとは思わな

 かった!」


「ハンター討伐を2人でしたからその時に

 ちょっと練習したんだ」


「そうかそうか!」

「頑張ってハンター倒したんだな!」

「あのハンター俺からこのゲームをする

 仲間を奪いやがったからなぁ」


「なんで奪われたの?」


「あいつらの強さはそこらの雑魚とは桁違い

 だからそれに勝てなくてみんな心が折れた」

「みんな種族が違ったから助けにも行けねぇし」

「そもそも他種族は領地にすら入れねぇし」


「えっ?」


「どうした?」


「いや…なんでも…」


「なんでもってなんだよ!」

「気になるだろ!」


「そ、それよりさ!」

「俺大地に出たばっかって言ったじゃん!」

「だからまだジョブに就いてないんだよね!」

「オススメなジョブ知ってる!?」


「な、なんだよいきなりグイグイと…」

「さっきの話…」


「知ってる!?」


「わかったよ!」

「もうさっきの話し聞かねぇよ!」

「で、ジョブの話しな…」


「そうそう!」


「まずオススメってのは種族による」

「その種族にあったジョブを選択することで

 特技や魔法が使えるようになるんだ」

「そーいや、おまえ炎魔法使ってたよな!?」

「おまえの種族はなんなんだ?」


「えっ?」

「魔法がどうかした?」


「いや、基本炎属性の魔法を使えるのはジョブの

 魔法使いか魔女だけなんだよ」

「他の種族は炎は炎でも武器に炎属性効果を

 付与するものばっかりなんだ」

「だから魔女でもない仕事にも就いてない奴の

 種族ってなんなんだよ!?」


「最後の俺をニート呼ばわりしてるだろ…」


「まあまあ」

「悪気があって言った訳じゃないから!」

「それで!?」


「亜人だよ…」


「亜人かぁ」

「またなんでそんなもん選んだんだよ」


「いや…なんでって…」

「縛りプレイ的な…」


「おまえこそマゾかよ!」

「知ってんだろ?」

「亜人が強くないってこと」


「少しは…」


「少しってことはジョブについては本当に何も

 知らなかったわけね…」


「本当にってなに?」

「武器みたくオススメジョブなんてないとか?」


「そんな優しいものじゃねぇよ…」

「亜人は職にすら就けない!」


「はぁ!?」


「ニートってのはあながち間違いじゃ

 なかったってことだな!」


「ってことは!」

「特技や魔法を覚える術がないってこと!?」


「いや!」

「そこの部分は安心しな!」

「特技に関しては自分であみだせるぜ!」

「魔法は知らんけど!」

「で、話は戻るんだがなんで亜人を選んだ?」


「それは…」


ショートはコウマに現実のことを話した。


「そうだったのか…」

「でも、亜人でプレイはできてもクリアは

 無理だぜ…」


無理という言葉にショートは今までの苦労を

踏みにじられたようで少し頭にきた。


「どうしてだよ…」

「やってみなきゃわからないだろう!」


「やっぱりおまえなんも知らずにこのゲーム

 やってんだな…」


「それの何が悪い!」

「初見プレイでもいいだろ!」


「そーじゃない」

「そーいうことじゃないんだ…」


「なにがだよ!」


「このゲーム発売から3ヶ月以上経ったが…」

「誰一人としてクリア者は出てないんだ…」

「そういう意味で無理なんだ…」


「無理…」


「だが、2つだけ希望を与えられるとすれば…」

「このゲームエンディングはある!」


「でも…」

「それだけじゃ…」


「早まるなよ!」

「もう1つの希望は」

「まだ誰も到達したことのないエリアが

 この大地のどこかに存在する!」

「きっとそこにクリアの鍵があるはずだ!」


「本当か…?」


「鍵があるかは定かじゃないが」

「エリアとエンディングについては本当だ!」

「ある人がこのゲームを解析したところ

 見つけたんだと!」

「これがおまえに送れる2つの希望だ!」


「希望か…」

「…うん」

「少し希望が見えた気がする」


「更に3つ目の希望を与えてやる!」


「えっ?」

「まだあるの?」


「3つ目の希望は!」

「俺が!」

「おまえのパーティーに入ってやることだ!」


「それこそ本当に!?」


「とーぜんだろッ!」

「防具屋から逃げたときすでに考えてた!」

「だからさッ!」

「一緒に冒険しようぜッ!」


「…」

「あぁ!」

「これからもよろしく!」


「こちらこそ!」


2人は握手をした。


「やっと見つけた!」

「もぉ~!」

「どこほっつき歩いてたの!?」


「あぁ、レーネ…」

「ハロワは見つかったの?」


「見つけて魔法使いになったわよ!」


「そ、それはよかった…」


(な、なんでこんなに怒ってるんだ…?)


「で、そっちはどうなの?」

「なんかいいの見つかったの?」


「いいや…それがぁ…」


「いいのどころか」

「ショボいやつを高値で買わされそうに

 なってたぜ」


「そお…」

「で、あなたは?」


「俺はコウマ!」

「コイツのパーティーに入ることにしたから!」

「よろしくッ!」


「私はレーネ」

「こちらこそよろしく!」

「でも、いきなりどうして?」


ショートとコウマは今までのことを話した。


「そーなんだ」

「だから街のどこを捜してもいなかったわけね」

「しっかしショートも運が悪いわね!」

「安もの買わされそうになるなんて」

「見てこれ!」

「さっき買ったばかりのローブなんだけど

 オーガも認める繊維でできてるんだって!」


「ちょっと待て!」

「それどこで買った!?」


「向かいの防具屋だけど?」


「あのクソじじいッ!」


「?」


このあとショートとコウマは防具屋に押し入り

金を返してもらったのだった。

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