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乙女ゲームは分からない!  作者: 金鹿
第二章:王立フォルミニス学院一年生
53/181

?-4=♥-3

いつもお立ち寄りありがとうござます。

始めましての方もありがとうございます。


遅刻すいません。


今回は「?」区分ラストになります。

 あたしの狩猟大会は、アレキサンドルの無双で始まって、無双で終わった。

 初めは大人しく三年生や二年生に従っていたのに、あっと言う間に獲物を狩り集めてドヤ顔するし、王宮騎士団長の息子が相手じゃ、学生はもちろん護衛の騎士も文句言い辛そうで気の毒だった。だけど、正直あたしとマルティーナ、それに二年の女子はアレキサンドル無双にドン引きしていたので、さっさと突っ込んで欲しかった。

 楽しそうに獲物を掲げて見せるアレキサンドルに、褒めろとか称えろとかそういう思考は無い。

 単純に同じチームで狩猟大会に参加した皆に、俺は頑張ってるから皆も頑張ろうぜくらいしか思っていない。ホントにこいつは、小学生男子がそのまま大きくなったようなキャラなのよ。

 ガキ大将とかそういう乱暴なタイプじゃなくて、気は優しくて力持ちっていうか、スポーツが得意で自然と皆を引っ張る男の子って感じだ。

 ゲームでは病弱で臥せりがちなあたしを、小さい頃は幼馴染だからと、学院に入る頃には”婚約者候補”として守っていて、それがいつしか恋愛感情に変わっていくという捻りも何もない熱血漢キャラだった。

 もちろんそういうキャラが好きって人は沢山居るし、アリシアとも入学式後の出会いイベントだけを済ませていれば、この狩猟大会でいきなり告白しちゃうくらい、思い込んだら一途で猪突猛進な所は清々しいとも思う。それに振り回されるあたしがいっそ憐れよ。

 あと、別ルートをプレイしてる時は、またアレク来たよウゼェとか思ったけどね。

 でもね、あたしなんかそういう設定だと知っていても、生きて動いて喋るアレクを見て初めて気付いた事がある。

 実は可愛いんだ。ゲーム画面の中では絶対見れなかった、ちびっ子アレクが元気一杯走り回る姿をあたしはよく覚えている。軍務系貴族の集まりで子供だけになると、なるべく皆で一緒に遊ぼうと声を掛けてくれるけど、あたしには絶対に無理をさせない。かけっこで遅れて、他の女の子がもう少し頑張ってと言おうものなら、アレクは決まって「もう一杯頑張っているのに失礼だ」と窘めてくれた。

 あの頃からアレクはちっとも変っていない。

 ゲーム中では仏頂面ばっかりで、幼馴染の事は好きだけど、それは男女の好きじゃないって事が分かってなくて見てる方が焦れるような演出が、八歳からの五年間だけ一緒に育ってきたアレキサンドルを見ていたんですか?と言いたくなるくらい、よく分かるようになった。

 今の姿だけを見たらカッコいいとか凛々しいとか言われるけど、アレクみたいな一見がっちりした体育会系キャラに、可愛い属性があるって気付いた。

 ただなぁ、この気付きを共感してくれそうな友達がいないから、トーク出来ないのが寂しいな。


「あの……やっぱり、一言お願いできませんでしょうか?」


 マルティーナが上目遣いで申し訳なさそうにお願いしてきた。気が付いたらあたしより少し身長が高くなっていたけど、マルティーナの可愛らしさはちっとも損なわれていない。

 多分、端から見たら今のあたしは幼馴染の通常営業を生暖かく見守っている女子って感じだったかも。

 一言? あぁ、そうだよね。あたし一応、アレの”婚約者候補”だもんね。

 二年の女子も何とかしてって目で見てくる。

 アレクって別に、そんな誰にでも噛みつくようなバカじゃないんだけど。

 いつもシャルたんの背後で護衛に立つと、短めに刈り込んだ赤みがかったこげ茶の髪を逆立てて、暗い瑪瑙色の碧眼で睨みつけたりするから、番犬キャラが板についてるだけじゃない? ってゆーか、先輩男子はともかく、騎士まで家名でアレクを見るの止めたげよ。

 そんな事を思いながら、あたしはふぅっと息を吐いて、今も仕留めた兎を持ち上げようとする小学生ダンスィ(アレク)に近づきながら言う。


「ねぇ、アレク? もう十分ではなくて?」


「何を言うんだエミリー? 全力を尽くすのが武人の本懐だろう? まして今日の俺は身軽だ。楽しまないなんて損だろう?」


 はぁ。思わず溜息が漏れる。

 そういうとこ、昔からよね。やるとなったら全力で取り組むとこ。でもね、シャルたん不在を身軽とか正直過ぎでしょ。

 ……エミリーか。あたしを愛称で呼ぶのも、昔から貴方と母様(かあさま)だけよね。

 真面目くさったアレクの顔を見てたら、失笑が漏れた。

 流石に他の人には聞かせられないから、”婚約者候補”の特権で顔を寄せて耳打ちした。


「ホントにもう。他の男子学生にも花を持たせなさいって言ってるの。それは出来るでしょう?」


 一瞬ぎょっとした顔するから、男子学生の方を見ないように”めっ”て睨むと、アレクは肩を落として「気付かなかった」と呟いていた。うん、知ってる。自分が楽しくなってくると、周りも楽しいだろうって思う悪い癖。何年も前から指摘して、大分良くなって来てたんだけど、シャルたん(重し)が無くなってちょっと油断したのかも。


「すまん。いつも助かる」


 気持ちを切り替えるのと一緒に雰囲気を切り替えたアレクの背中を押しながら「どういたしまして」と言うと、照れたような笑みを浮かべていた。

 可愛いなぁ。あたしも意外だったけど、アレクってやんちゃな弟キャラだったのよね。

 アレクが男子学生と護衛の騎士に近づいて何か話してるのを見ていると、マルティーナがすすっと傍に来て言った。


「やっぱり、以前からアレキサンドル様の扱いは、エメリーヌ様が一番お上手ですわ」


 本気で尊敬の眼差しを向けてくるマルティーナには申し訳ないんだけど、結構簡単なのよ? シャルたんやジャン・ポール、ミシェルみたいに性格的に捻くれてないから、素直でいいコだから。

 二年女子がにこにこ顔で側に来て「ランヴェオック伯令息とは仲睦まじいご様子で、本当によろしゅうございました」と言われた。

 え? この娘どこの誰さん?

 とりあえずお礼を言ってあしらったら、マルティーナが「先代の王宮騎士団長であるミュラ伯爵家に近い家のご令嬢です」と教えてくれた。ふぅん、そしたらさっきのは当て擦りとかそういうのかな。

 こんな時まで大変ねって思っていたら、急に花火のような音が響いた。

 騎士さんとアレクの視線が空に向かっていたから、あたしもその先を追って見ると、軍務系なら基礎中の基礎とされる連絡筒の煙が上がっていた。

 赤、ピンク、黄色は順に敵襲、戦闘中、周辺警戒を意味している。つまり、あの連絡筒を撃った騎士は「現在敵襲を受けて戦闘中。周辺の警戒を厳とせよ」と皆に知らせていた。

 敵襲? 一体何が何を襲ってる?

 ってゆーか、一年の狩猟大会イベントでこんなシナリオ無いんですけど!?

 そんな事を考えながら辺りを見回すと、二年女子とマルティーナが顔を真っ青にしていた。二人とも軍務系だから、連絡筒の煙を見て事態の急変を悟ったようだった。でも、男子学生は駄目ね。二人はポカンとした顔で空を見上げていて、両目に緊張感を漲らせているのは騎士とアレクだった。

 分かっている二人は何か短いやり取りをした後で、騎士が言った。


「集合地点に戻ります。先頭はランヴェオック伯令息アレキサンドル君、中央にラ・フロット伯令嬢エメリーヌ様を据えて前方に女性二人、後衛に男子学生二人で陣形を組んで移動するように。私は退路を確保しつつ近隣の様子を確認して助勢します。では、移動開始」


「学院の序列は無視させて貰う! 俺が先頭に異論はあるか!? 無ければ王宮騎士の言った通り、陣形を組んでくれ。エミリー、後ろに配慮を頼む」


 騎士に先導を言い渡されたアレクが気合を入れて宣言した。

 あたしがこくりと頷くと、アレクはほっとしたような表情を一瞬浮かべてから、気合を入れ直してシャルたん襲撃イベのスチルのような厳しい顔になった。

 それからあたし達のチームはなるべく音を立てずに、アレクが切り開いた道を黙々と進んだ。

 なのにあたしは、ゲームの進行と違う所が気になって仕方なかった。

 おかしい。一年の狩猟大会は本当にレクリエーションだった。出会いフラグを立てている攻略対象がいるチームにランダムに振り分けられて、応援して親密度を上げるだけのイベントのはずだった。

 もしかしてこれって”混色の森”の暴走(ディファリモ)!? でもそのイベントって終盤のはずだし。

 え? もしかしてクロードが死ぬターン!? 

 おかしいおかしいおかしいおかしい。いや、絶対におかしいし!!

 クロードが死んだらミシェルのシナリオ進むじゃん。でもフラグ何も立ててない。アリシアのミシェル攻略ルートでも、クロードの退場は二年秋の狩猟大会の事故か、冬の伝染病しかない。”混色の森”の暴走(ディファリモ)なんか、全然関係無いのに。

 そうよ。関係無いのよ。

 あるはず無いんだから心配しなくていい。

 あたしは自分に言い聞かせるように、心配いらないと繰り返し考えながら走っていた。

 やがて出発地点に戻ると、次々と学生達が戻って来た。ジャン・ポールとウジェニー・フィリス、アリシアの側で見た事のあるモブ女子とモブ男子達が続々と戻って来るのに、肝心のアリシア(シン・悪役令嬢)は戻って来なかった。


「おい、マラン枢機卿の兄弟とその”婚約者候補”はどうしたのか?」


 戻って来ない友人の存在に苛立ったアレクの問い掛けに、大人は誰も答えられなかった。重苦しい沈黙が辺りを包み込んた。

 そうよ、まだクロード退場イベントだって決まってない。その証拠にクロードと……えーと……とにかく、クロードの”婚約者候補”も、ミシェルとシルヴェーヌがどうなっているのかって何も分かっていない。まだ皆無事だって祈るしかない。あとついでにアリシアも。

 なんかよく分かんないんだけど、マリー・シャルロットとウジェニー・フィリスがめっちゃ気に入ってるのよね。そんなシナリオ無いんだけどね。ホントどゆこと?

 じりじりと時間が過ぎていくと、学院職員が側仕えを呼び入れて、無事な学生から学院に戻るように言ってきた。

 そんな中でも、ジョルジュ・ロベール王太子の取り巻きとシャルたんの取り巻き、その”婚約者候補”はここに残らないといけない。あたしはマラン兄弟とアリシアがどうなったのか知りたくて、残れる事がラッキーだと思ってた。

 でもすぐに、幸運なんて吹っ飛んだけど。

 最初にクロードの”婚約者候補”が周囲に抱き抱えられながら走り込んできた。凄く取り乱していて半狂乱で泣き叫んでいる女の子を、学院職員が抱きしめながら「マリニャック様、落ち着いてくださいませ」と叫ぶのを聞いて、ああそうそう、シモーヌ・ド・マリニャックだっけ。ゲームに出てこないから、なんかいまいち覚えられなくて。


「ディファリモだそうだ」


「本当か!?」


「ああ、騎士達が”混色の森”の暴走(ディファリモ)で間違いないと」


 聞くとはなしに耳に飛び込んで来た学生達の会話に愕然とした。

 まーじでー!? 終盤イベントが今来るぅ!? もーやだー……。

 油断すると膝をつきそうになるくらい徒労感?を感じていると、さらに悪い知らせが続いた。

 シルヴェーヌが泣きながら戻って来て、クロードは瀕死でミシェルはその場に残ったと言った。自分は援軍を呼んでくれと言われて、仕方なく戻って来たと告げると、すぐに騎士団の方に駆け寄って行った。

 シルヴェーヌってゲームでも存在感薄くて、なんか薄幸の美少女設定があたしと被るなって思ってたけど、今、目を赤く腫らしてるのに大人に食って掛かるとこ見てると、彼女も設定で決められた通りのキャラクターじゃないって見せつけられた気がした。

 はぁ、あたしの推しカプって所詮、ゲームの中だけなのかな。無理なの? でも、好きだから頑張ってきたのに。

 なんかもう、シナリオとかステータス調整とかどうでも良くなってきた。色んな事が分かってるあたしは、もっと上手くやれたんじゃない? とか、そんな事が頭の中をぐるぐると回り出した。

 不意に強い力で手を握られたあたしは、驚いて相手の顔を見た。


「エメリーヌ様? あの、わたくしでは力不足かとぞんじますが、それでも、お傍に控えておりますから、お気を強くお持ちくださいませ」


 いつの間にかあたしの手を握っていたマルティーナが、顔を真っ赤にしてそう言った。すごい決心が必要だったと思う。前の世界のあたしには、絶対に言えない台詞だ。

 ふふっ。嬉しいな。前の世界に知り合いはそこそこいたと思うけど、落ち着いて考えると、友達っていなかった。あたしにとって本当の意味での、初めての友達が目の前にいた。

 こんだけ深刻な状況なのに、あたしは友達がいる嬉しさに笑みを我慢できなかった。あたしの笑い声に周囲はぎょっとした顔をしたけど、マルティーナとアレクだけは、真剣な顔であたしを見ていた。


「ありがとうぞんじます。マルティーナ。わたくし、貴方がお友達でいてくれて、本当に嬉しいと思ったのです。本当にありがとう」


 少しびっくりした顔をしたマルティーナは、困ったような表情を浮かべてから、いつにもまして顔を赤くした。ぬぅん、ほんとマルティーナって可愛いよね。スシー子爵は良くない噂が多いけど、マルティーナの”婚約者候補”には全力で介入しよう。そんじょそこらの阿呆に、あたしの大切な友達は渡せない。


「そこ、場所を空けて! ほら、下がって!」


 王宮騎士団の騎士が凄い剣幕で入って来た。

 びっくりしたあたしとマルティーナを軽くスルーしながら、血相を変えた騎士が走り込んできた。その両手には槍に布を渡した担架のようなものを持ちながら走り込んできた。

 クロード!? マジで!?

 驚いて動く事も出来なかったあたしの耳に、ウジェニー・フィリスの叫び声がこだました。


「アリシア様? アリシア様!? どうして!? なぜ!?」


 え? なんて?

 運ばれる担架に注目すると、確かに所々ピンクが入った金髪が乱れるままに横たわった女の子が運び込まれてきた。

 ウジェニー・フィリスがぎゃあぎゃあと騒ぎ立てるのを誰も止められないまま、アリシアらしき女の子は運び出されて行った。その様子を目で追うと、超美人で登場したリリコットが今にも泣きそうな顔をして担架に走り寄るのが見えた。

 ガチでアリシア(シン・悪役令嬢)らしい。

 狩猟大会でアリシアが巻き込まれるシナリオも無い。一体何が起きたのか。本当にここが『どきスク』の世界なのか。

 今まで何度も思い浮かべては、そうであってはならないと目を伏せてきた事が、今大きな壁のようにはっきりとした形でごんごんとあたしに迫って来るような気がした。


「ああ、ミシェル! ミシェル、よくご無事で!」


 シルヴェーヌの歓喜に満ちた叫び声で現実に引き戻されたあたしは、シルヴェーヌが走っていく先に視線を向けた。

 そこには、半身を血に染めながらしっかりと自分の足で歩いている学生と、それを手助けしようとしているミシェルの姿が見えた。

 二人とも照れくさそうな顔をしながら、生還を喜ぶ歓喜に満ちた表情を浮かべていた。

 シルヴェーヌがミシェルの胸に飛び込むと、困ったような顔をしたミシェルと、弟達を慈しむような笑みを浮かべるクロードの姿に、あたしは推しカプ計画の頓挫を強制的に理解させられた。

 ゲームでは、クロードの死をきっかけに、突然兄を失い、兄に替わり家を継ぐ事になったミシェルが急成長する。その時の無理や歪さをシルヴェーヌはフォローしきれない時が、プレイヤーが割り込む隙になる。

 ゲームでは準備されていた隙なんか、全く見えなかった。どんどん視界がぼやけていくままに、あたしは推しメンが嬉しそうにシルヴェーヌを抱きしめて、兄の顔を見る様子を眺めていた。


「エメリーヌ様?」


 あたしの姿に驚いたマルティーナが、驚愕の表情を浮かべて声を掛けてくれてた。両目から流れる涙も吹かずに、あたしは完全に負けた事を自覚していた。でも、あたしの好きな人が嬉しそうに微笑むのなら、あたしはそれでいいと思った。

 だから涙も拭かずにマルティーナに顔を向けると、あたしは胸を張って言った。


「マランのご兄弟がご無事で、本当によろしゅうございました」


 ぐっと何かを飲み込むような仕草を見せたマルティーナが、ぎこちなく身体を動かして「失礼いたします」と言うと、その後は何も言わずにあたしを抱きしめてくれた。

 マルティーナのじんわりとした温かさを感じたあたしは、あたしのリアル『どきスク』が終わったと理解せざるを得なかった。




 今から五年前。

 あたしは交通事故をきっかけにこの世界に転生した。

 もう、前の世界の名前は憶えていない。

 だから、あたしはこの世界で生きていくしかないし、この世界の名前がある。


 わたくしの名は、エメリーヌ・ド・ラ・フロット。今年学院に入学した十三歳。

 軍務系貴族ラ・フロット伯爵家の娘にして、現王宮騎士団長ランヴェオック伯爵の息子、アレキサンドルの”婚約者候補”。

 アレクとは幼馴染で、いつも気遣ってくれるアレクは好きだった。

 でも、それは男女の好きじゃない。

 あたしが好きだったのは、前の世界からずっとそうだったけど、ミシェル。

 ミシェルにはシルヴェーヌがいて、愛称で呼んでるのも設定資料で知ってた。ミシェルが一番悩んだ時に側に居たのも知ってる。

 好きだから、あたしがそこに座ってもいいじゃないと思ったし、ゲームでは丁寧にフラグを立てると座れる事を知っていた。だからちょっと前世知識(チート)で確実に座ろうと思ってたけど、やっぱり現実は思うようにはいかないね。

 はぁ、これからあたし、どうしようかな。

 ぐすぐすと鼻を鳴らしながら、まだ抱きついていたマルティーナが目に入った。顔を上げると、心配そうな顔をしながらあたしを見るアレクが居た。

 そっか。前の世界と違ってあたしはこの世界で、あたしの居場所を作ってたのか。そんな風に思ったら、びっくりするくらい心がさっぱりした。漫画やアニメ、小説やゲームで見てたように、ぐろぐろどろどろとした感情じゃなくて、別にミシェル取れなくてもあたしにはあたしを認めてくれて、居場所もちゃんとあるって思えた。


「ねぇ、マルティーナ? もし良かったら、わたくしの事はエミリーって呼んでくださいませんか? 代わりに、貴方の事をティナと呼んでもよろしいかしら?」


 不意の問い掛けにキョドったマルティーナは、目を白黒させながら驚いていたけど、大きく息を吸ってしっかりと頷いて返事してくれた。


「ありがとう、ティナ。これからもよろしくね?」


「ええ、エミリー。こちらこそ」


 ティナが嬉し涙の粒を浮かべるから、あたしはそっと指で拭った。

貴重なお時間を頂きましてありがとうございます。


「?」区分、今後は「♥」に統合となります。

元々そのつもりでいたので、あまり「?」に寄せたり盛ったりするつもりは無かったのですが、切り替えと思ったら、色々考え込んでしまいました。

「?」って誰だろう? ああ、そうだったのか。当たったとか、え?マジでそのまま?とか、読んでくれた人にお任せ区分にしましたが、お楽しみ頂けたでしょうか?


励みになりますので、よろしければ評価ポイントやブクマ、感想を頂けると嬉しいです。

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