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サラリーマン、異世界へチート通勤する  作者: 縞熊模様
第1章
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早速、試すことにしよう。

「サラ、ちょっと俺も試してくるよ」

地上にいては色々と障害物が多い。

良翔はそう言い、宙に浮き、光の矢を放ったところと同じ高度あたりまで上がる。


先程と同じ広範囲鑑定を行い、ファウンドウルフの牙と同じ魔力を探す。

ファウンドウルフを探した時よりも微弱だが、良翔の前のウィドウには反応がたくさん映る。

念の為、その数を鑑定スキルに調べさせる。

するとウインドウには324という数字が表示される。

「そんなに沢山、倒したのか…」

素直に良翔は表示された数字に驚く。


良翔は一旦、討伐数のことは置いておき、誘導の機能を持つ、極小の魔力の塊をイメージする。

そして、ウインドウに表示されたそれらの全ての点に対し、その魔力の塊を魔力線を引かせながら放つ。

やがて全ての魔力線が、ウインドウに表示された点と繋がった事を把握する。

良翔は繋がった全ての点に対し、周囲の魔素を集め、魔力として伝えていく。

すると、ウインドウに表示されていた点は、先程のファウンドウルフの位置を表示ていた時と同じぐらい反応の強さを増す。

うまく繋がったようだ。

良翔は全ての点に対し、一斉に浮かび上がり、こちらに向かうよう魔力に働きかける。

すると、少しの後、ウインドウに表示された点たちは良翔に向かって移動を開始する。

恐らく324本有るのだろう、魔力線が良翔と繋がっている。

その導線に従い、遠くから、何かが一斉に飛んでくるのが見える。

「成功かな…」

そう良翔が呟くと同時に、良翔の周囲にファウンドウルフの牙が集まってくる。

これだけの数になると圧巻だった。

良翔はそれを収納へしまう。


良翔はホクホクの気分で、サラの元に降りる。

サラは驚いている。

「ひょっとして…、さっき良翔の周りに集まったのって…」

「ああ、ファウンドウルフの牙だよ。さっきいっぺんに倒した奴らのを集めてみたんだ。思った以上に、結構な数だったみたいだね。それにしても、サラから教えてもらったこの魔法は便利だね。サラの弓の魔法なんかもこれの応用だったりするし、これを初期に覚えるのは納得だよ」

サラは愕然としながら

「なんて数だ…、あの一撃でそこまで倒せるものなのか…」

すると、サラは、ハッとする顔をする。

「良翔…、まさかお前、大賢者様なのではないか…?」

どうやら、また、サラの思い込みが始まったらしい。

良翔は苦笑いして応える。

「まさか。俺が賢い者なんて称号貰えるわけないよ。せめて、魔導師の方が、まだ、マシだよ。まぁ、何はともあれ、俺も、俺の仲間も昨日冒険者になったばかりの新人冒険者だよ。だから、そういう称号のようなものはとてもじゃないけど、もらえないよ。そういうのは、大きな功績を残した者に与えるべきだね。せめてこれから始まるあの森の問題を解決してから、それに値する人物にそう呼ぶべきだと思うよ?」

サラは、またしても驚く。

「な、昨日、冒険者になっただと!?一体何の冗談なんだ。昨日、冒険者になった奴があんな極大魔法を使えるなんて、聞いた事ないぞ…」

「まぁ、その、自分で言うのもなんだけど、俺たちは少し他とは違うみたいだね」

良翔は苦笑いしつつ応える。

サラは驚きから、呆れ顔に変わりしばらく良翔を眺めていたが、ふと笑顔に戻る。

どうやら、割り切ってくれたらしい。

良翔としても、これ以上の追求は遠慮してほしいところだったので、良しとする。


ファウンドウルフも討伐し終えたのだが、時間がまだ、1時間ほど余っている。

良翔は、ノアとの集合場所となる場所へ向けて、サラと歩きながら、話をする。


「ところでさ、さっき教えてほしいと言った事なんだけど、早速教えてもらっもいいかい?そうだな…、まずはあの森についてを聞いても良いかな?」

サラは良翔に言われ、その依頼を思い出し、頷く。

「あの森は、古の湖の水で育まれた、豊かな森なのだ。その辺の森とは少し違う。まず、あの湖の水は魔力をふんだんに帯びている。それがあの森を他とは違う存在へと変えている大きな要因になるのだが、良翔は、まず魔力というものが、なんなのか分かるか?」

サラにそう言われて、良翔は考える。

「正直殆ど分からないな。魔法を使うのに必要なものってぐらいの認識だよ」

サラは少し呆れ気味に、良翔に教える。

「先程から、何となく思っていたのだが、良翔はこの世界の常識に、あまりにも疎い様だな。この話はこの世界の者なら誰でも知っていると言っても過言ではない話だ」

「ズバリ、指摘された通りだよ。使えるから、何となく使ってるだけで、実際はその原理とか理解とかが全くないんだ。ただ、それで困った事がほとんどなくてね。今のままで来てしまったよ」

「なるほど…。まぁ、良翔の気持ちも分かる気がするな。使えるのだから、常識など知らなくとも問題ない訳だ。だが、これは知っておいて損する事ではない。一緒に説明してやるから、今この場で覚えた方が良い」

良翔は素直に頷く。

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