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サラリーマン、異世界へチート通勤する  作者: 縞熊模様
第1章
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1-59

地図は用意でき次第、この部屋の郵便受けに入れておくとの事で、代金は準備ができ次第、カウンターで任意のタイミングで支払う事になった。

これで、今日の外出には間に合わなくとも、明日には地図は手に入る。


地図の問題はクリアした。

次に解決すべきは、今あるクエスト達をどの様に達成していくかだが、これは案外あっさり決まった。


まずは古の湖に向かい、周辺の森の上空から全体を確認する。

森全体に鑑定スキルをかけ、アースワイバーンの所在を確認するためだ。

そこで、見つかるなら、大まかな位置を把握し、存在している頭数などを確認する。

それらの情報により、今後、どの様に調査を進めていくか決めるのだ。

もし、全くと言っていいほど、反応が見つからない場合は、その時に別の調査方法を考えよう、との事になった。


いずれにしても、森の大雑把な様子を確認したのち、森近くに生息する、ファウンドウルフの討伐クエストを行い、戦闘経験を積む。


ファウンドウルフの討伐クエストにどれだけ時間がかかるかは分からないが、少なくとも今日中にはケリをつけるつもりだ。


思ったよりも、早く片付く様であれば、古の湖周辺の森へ入り、薬草の採取クエストをこなしながら、実際にアースワイバーンの所在や様子を確認しにいく。


そんな具合に、今日のおおよその予定を、ノアと話して決める。


今日の大体の様子も決まったので、ノアと良翔は早速、街へ出る事にする。

先程話した、無いよりは気持ち的に安心出来るであろう、胸当てを買いに行くためと、各種アイテムだ。


柳亭を出ると、まだ、午前9時頃であるにも関わらず、至る所で、店が開いており、街は賑わいを既に見せている。


そう言えばカシナに言われてから、注意してみている様にしているが、至る所で冒険者とすれ違う。

街から、多くの冒険者が居なくなっているとはあまり感じれなかった。

だが、防具屋をハシゴしながら、店主に何となく話をすると、やはり客足は段々と少なくなっているのを感じるとの事だった。

きっと、この街は良翔が来る前は、今よりも、もっと活気があり、賑わっていたのだろう。


そんな本来の街の様子を良翔は見てみたいと思う。

そう思うと同時に、早くカシナからの依頼をこなし、この問題が早期に解決する事に尽力しなくてはならない、とも思う。

良翔は、気を引き締め、あまり初めての冒険だからと浮かれすぎない様に、自分に言い聞かせる。


ところがノアは先程から、鼻歌交じりで、良翔の隣を歩いている。

良翔とは対照的で、初の冒険をどうやって楽しもうか、今から色々と想像しているらしい。

時折、気が付いては、あんなのは買ったら役に立つかもしれない、これだったらこんなモンスターに効果があるだろう、などと、たらればの話をして、はたから見てもワクワクしているのが分かる。


だが、良翔はそんなノアに、もう少し気を引き締める様言うつもりはない。

その顔はとても生き生きしており、楽しむだけでなく、しっかりといろんな事に一喜一憂する、正に人間の様な様子に見えるからだ。

ノアの長年憧れた生活に、良翔はあまり水をさす気にはなれなかった。

それにノアが楽しそうだと、これから初冒険だ、と身を固くしている良翔にとっては、程よく空気を緩める事が出来て、助かっているのもある。


結局、そのまま街で2時間ほど過ごし、お目当ての薬や胸当てを無事に購入する事が出来た。

全部で2万ゴールドほどかかったが、安全には変えられない。

胸当てはそれぞれのサイズに合うものを選び、その場で着用した。

アイテム屋で購入した各種アイテムは、小瓶に詰められたものや、錠剤状のものだった。

傷薬や、良翔の求めた体力を回復する薬は皆小瓶に入った液体だった。

緑色の液体が傷薬。

青い液体が体力を回復してくれる薬。

そして、状態異常を治療する薬は、皆錠剤状で本当に薬のような見た目だ。

こちらも、薬の種類により色が分かれており、痺れなどを治療してくれる錠剤は黄色、毒を治療する錠剤は紫色をしていた。

うん、実にゲームで見た様に、ステータスに紐付いた分かりやすい色をしている。

お陰ですぐに覚えられそうだ、と良翔は思う。


街での目的を達成した良翔達は、ひょっとしたら地図が届いてるかもしれないので、一旦宿に帰る事にする。

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