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サラリーマン、異世界へチート通勤する  作者: 縞熊模様
第1章
52/163

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良翔は早速、収納スキルの為のイメージを開始する。

そこには大きな宇宙の様な空間をイメージする。

時と時の間にメスを入れて、その瞬間を切り取ったかの様に、時間が止まる世界。

目的はあくまで収納だ。

それこそ際限なく広い。

無限とも思える空間には、重力も存在しない。

だが、入れたものが何だったか、どこに入れたか分からなくなっては意味がない。

なので、収納管理機能に管理をさせる事にする。

良翔の意思を伝えると、物体を出し入れしてくれる、そんな機能だ。

イメージを続ける良翔。

ノアはその良翔のイメージに不足する詳細な内容をナビゲーター機能を使い、イメージ創成スキルに伝えて行く。

二人三脚でスキルを作り上げるイメージだ。


やがて、良翔が目を開ける。

周囲に変化はない。

早速、収納を意識する。

すると良翔だけに見えるウインドウが表示される。

今現在の収容物の一覧が表示されるページだ。

当然今はまだ、何も入れていないので、

【収納物:無し】

とだけ、表示される。


試しに、良翔は、目の前の椅子に触れ、収納する意思を伝えると、椅子がフッと目の前から消える。

ウインドウを確認すると、

【収納物:柳亭 315号室 窓際の椅子 YYYY年MM月DD日】

と表示される。

どこで、いつ保存した、何なのかを記録する事も出来る。

うん、申し分ない仕上がりだ。

そして、良翔は入り口付近の椅子、窓際の椅子を続けて収納した。


今度は取り出しである。


良翔は窓際のテーブルのそばに立つ。

収納管理機能に伝えるのは、ここの椅子、という大雑把な情報だけだ。

すると、現在3つの椅子を収納しているが、良翔が思い描く条件に合う椅子を収納管理機能が選択し、出現させる。

良翔の目の前に先程このテーブルと並んで置かれていた椅子が姿を現わす。


うん、こちらも申し分ない。

次に収納していない、物を要求した場合だ。


収納管理機能にテーブルと伝える。

すると、良翔の目の前のウィドウに

【要望の物は収納されていません】

の文字が表示される。


最後は、出すスペースがない場所での確認機能だ。

良翔は荷物置き場の狭い場所に移動し、そこで、収納した椅子の取り出しを伝える。

【要望の物を取り出すには、十分なスペースが足りませんが、取り出しますか?】

【YES / NO】

と表示される。

よし、これもうまくいった。


良翔は一旦、キャンセルして、それぞれの椅子を元に戻して行く。


収納機能は申し分ない物が出来た。

後は、どこかで、大きい物を収納する実験をしよう、と良翔は思う。

きっと今回のカシナのクエストも、モンスターの部位だけでなく、場合によっては、モンスターを1匹丸々持ち帰った方が、何か都合が良いことがあるかもしれない。

案外貴重なスキルでは無いだろうかと、改めて思う。


そうこうしている内に、日は沈み、辺りが暗くなる。

すると、先程までは気付かなかった室内の照明に気付く。

オレンジの光が室内をくまなく照らし、物に影を生み出していた。


「良翔、そろそろあの駅だ。準備はいいか?」

コピー良翔から通信が入る。

良翔はノアに目配せをすると、ノアは胸に大きな菓子袋を抱いたまま頷く。

「ああ、個室に入ったら教えてくれ」

「了解した」

コピー良翔との通信を終える。


ノアは菓子袋をベットに置き、

『芽衣にもうすぐ会える!楽しみだわ!』

「じゃあ、ノア。これは収納するね。家に着いたら渡すよ」

ノアは頷き、ニコリと笑い、姿を消して行く。

良翔の中に戻り、芽衣の待つ家への到着まで待機する。

良翔は、コピー良翔と入れ替わる為に、服装を朝着てきた服に着替える。

ノアの大きな菓子袋や、今日手にした服や、麻の袋、小銭入れなどは全て収納しておく。

この部屋に置いておいてもいいが、万が一、空き巣に入られて荷物を取られるのも嫌なので、この部屋には何も置いていかない。


着替えを終えると丁度声がする。

「良翔、着いたぞ」

コピー良翔から、再び連絡が入る。

「分かった、今行く」

良翔はゲートを作り出す。

扉の鍵が掛かっていることを、確認し、ゲートを通る前に、一度室内を見回す。

新たな出発地点が出来たな、そう呟き、良翔はゲートをくぐる。

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