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サラリーマン、異世界へチート通勤する  作者: 縞熊模様
第2章
118/163

2-7

結局は、あれこれ押し問答の末、先程と同じ結論に結び付き、良翔とノアは2人でペアの創造神の使いなんだという事で事なきを得た。

「さぁ、かなり話は脱線してしまったけど、古の湖に行こうか」

「まぁ……、良いだろう。本来の目的は確かにそちらだからな」

まだ、腑に落ちないカシナは不服そうだったが、本来の目的に戻る事には同意だった。

良翔は頷き、皆の前でゲートを作り出す。

すると、何もない空間に、青白い光を放ち、ぐるぐると渦を巻いたゲートが出現する。

「「おおぉ…」」

ゲートを見て、周囲から感嘆の声が漏れる。


そんな周囲の反応などお構いなく、先陣を切ってノアが、抵抗もなくゲートへ吸い込まれて行き、姿を消す。

カシナも意を決した様に、ゲートに勢い良く歩み寄るが、直前で立ち止まり、そうっと指で触れては引っ込める動作を繰り返す。

その間に、その様子を眺め、バンダンがクスクス笑いながら堂々と入って行き、姿を消す。

そして、その直ぐ後ろから、お先に失礼します、とニーナも迷いなくゲートを通り過ぎて行く。

カシナは次第に顔を真っ赤にし

「ええぇぇい!どいつもこいつも!!」

と何やら叫んで、思い切ってゲートへ飛び込んで行く。

カシナは意外に慎重というか、臆病というか…、などと良翔はクスリと笑いながらその光景を眺める。


その後、アースワイバーン達も1人、また1人と中に入っていき、やがて全ての者が通り過ぎる。

全員がゲートを通過した事を確認した良翔は最後に自分もさっと通り抜ける。

ゲートを通り抜け、心地良い日差しが差し込む湖が視界に入ってくる。

ゲートをくぐった先では各々が驚きの反応をしていた。

本当にゲートをくぐるだけで、タリスから数百キロ離れた古の湖に出た事を中々飲み込めていない様に見える。

良翔はそんな周りの事を気にする事を止め、さっさと広域鑑定に移り、森全体を覆う様にアースワイバーンの牙を探索する。

反応は各所にあり、恐らくは良翔達が倒した数と変わらなさそうな量がある事を確認し、一気に良翔の所へ集める。

すると、森のあちらこちらから、カサカサと音が鳴り出し、周囲の者達がビクっと驚く。

その数秒後、各所から集まったアースワイバーンの牙が良翔の前に山積みになり、姿を現わす。

良翔はそこに、タリスの東の森で集めたアースワイバーンの牙を収納から取り出し、山に加える。

流石に500個程にもなると、見事な山が出来上がった。


山が出来上がった事で、周囲の者達は、良翔の周りに段々と集まり、良翔の次の動向を伺う様に待つ。

「さて、これから彼等の復活を始めようと思うんだが、場所が居るな。かと言ってあちこちに散らばせてしまうと、ちゃんと復活出来たか分からないし、ある一定の数ずつやろうか。この場所のスペースだといっぺんに復活出来るのは50匹程度かな?」

『うん、それぐらいになりそうね。面倒だけど、10回ぐらいに分けて、復活させた方が良いわね』

良翔の声にノアが返すと、ニーナが慌てて、口を挟む。

「失礼ですが、良翔様。まさか…、当初は一回で全ての大地の守護者達を蘇らせようとされてらっしゃったのですか?」

ニーナに聞かれ良翔は、なんでも無い様に応える。

「え?…ああ、そのつもりだったけど、いっぺんに500匹を超えるとなると、場所が無さそうだからな。すまないが、50匹程ずつ、10回ぐらいに分けての蘇生になってしまうな」

そう言われ、ニーナは驚きの顔をする。

当然、隣ではカシナも同じ様に驚きの表情を見せる。

アースワイバーン達も……、どうやら今の話でまたしても平伏している様だ。

良翔としては、ちゃんと蘇ったかどうかを、彼等に判断してもらう必要があるので、頭を下げられてしまっていては困る。

「大地の守護者の皆さん、どうか顔を上げて頂きたい。皆さんにお願いしたいのは彼等が正常に蘇れてるのかどうかを判断して頂きたいのだが」

それを聞き、バンダンも助け舟を出す。

「だそうだ、ハザ達。頭を下げるのは後で御神像でも祀って好きなだけやれば良い。今はお前らの仲間の事を案じるべきだと儂も思うがな」

バンダンにそう言われ、ハザは顔を上げ、頷く。

「そうだな。確かにバンダン殿のいう通りだ。姫さま、今は我が同胞の復活を無事に見届けましょう」

「え…、ええ。そうね、ハザ…。それに我等が創造神良翔様の御依頼でも在るもの。それを行わない選択肢は無いわね」

ハザに促され、マレナを始め、アースワイバーン達が立ち上がり、良翔に視線を向ける。


良翔は頷き、アースワイバーンの牙の山に向き合う。

皆が固唾を飲み、良翔の様子を黙って伺う。

良翔は片手を山に向けて突き出し、魔力を50個程の牙に流し込む。

魔力を繋がれた牙は、山から開けた場所へ向け、宙に浮き移動を始める。

一つ一つの牙からアースワイバーンの巨躯が出現しても、重なり合ったりしない様、十分なスペースを確保しながら、散り散りに着地していく。

準備は整った。

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