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サラリーマン、異世界へチート通勤する  作者: 縞熊模様
第1章
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良翔は考えた事と明日の予定をノアに話す。

話を聞いたノアはふぅ、と溜息を吐き

『せっかく、ひと段落したのに、明日もなんだか忙しそうね。まぁ、暇よりはマシだけどね』

と笑いながら、良翔に顔を向ける。

良翔も苦笑いしながら

「すまないね。余計な事に顔を突っ込みすぎかもしれないけど、出来ることがあるならしておきたくてね」

ノアも笑いながら頷く。


まだ、秋翔からの連絡が来るまでに30分以上ある事を確認してから、ノアは良翔に気になっていた事を確認する。

『そういえば、良翔はアースワイバーンの首領と戦ってる最中に良翔の武器のイメージに無事成功して、一回で自分にフィットする良い武器作ったじゃない?あれって元々イメージの構想にあったの?』

ノアに聞かれ、良翔は思い出しながら答える。

「ああ、あれは、確かに形は前々からこんなのが良いなぁとは思ってたかな。自分の生活で一番見慣れてる武器だったしね。ただ、どんな能力を持たせるかはずっと悩んではいたんだ。だけど、あのタイミングで物理攻撃に長けていて、かつ魔力を無効化する機能をって考えたら、武器が一番良いなって結論に辿り着いて、結果こんな形と能力になったね」

そう言いながら、良翔は武器を出現させ、ノアに見せる。

『なら、武器も決まったことだし、今後は合間見ながら武器の扱いに関しても特訓しなきゃね。イメトレも大事になるだろうし、時間があれば動画とかで剣道とか色々見ても良いかもね?それに、武器の能力についてはおいおい、これをベースに改良していけば、あらゆる能力を使い分けられる様になると思うから心配は要らないと思うわ。…ところで、この柄に付いている赤い紐は何なのかしら?』

ノアの質問に良翔も首を傾げながら

「これについては俺も正直よく分からないんだよね。夢中で創成したから、メインとなる能力以外はあまりどうなっているのか良く分からないんだ。とりあえずは、これがアースワイバーンの首領を取り込んだ事で、柄に出現したから、モンスターの魔力を封じた何か何だろうととは思うけど…。使い道や機能についてはサッパリだよ」

ノアは軽く笑い

「まぁ、その辺は致し方無いわね。あの状況で、これだけ良いものが創り出せたんだもの、儲けものだったと思うぐらいが丁度良いかもね」

ノアに言われ良翔は頷く。


丁度、ノアとの会話の切れ目のタイミングで、秋翔から少し早い連絡が入る。

どうやら今日は定時で上がれそうとのことだった。

やはり、秋翔は能力は良翔と同等だが、精神的なムラが少ない事で、こうも差が出るのかと驚く程、仕事が優秀な人材の様に思える。


その後、良翔は職場から帰ってきた秋翔と入れ替わり、帰宅路に着く。

電車に揺られながら、良翔は一つの達成感を感じながら、一人清々しい気持ちになるのだった。

その感情はどうやら周りにも分かるらしく、帰った時の芽衣の反応がそれを示していた。

「お帰り!良翔!今日はどうだ………った、なんて聞くよりも、なんだかスッキリした顔してるね?何か良い事あった?」

「ああ、完全解決では無いけど、昨日話した問題が大方片付いてね」

芽衣はそれを聞き、ニコリと笑い

「そう!それは良かったね!じゃぁ、ご飯にしましょ!子供達もまだ起きてるし、みんなで食べようよ!ノアちゃんも秋翔さんもみんな出てきて食べよー!おー!」

芽衣は勝手に話を進め、リビングへと消えていく。

「相変わらずだな…」

良翔は軽く笑い、着替えに寝室に行く。

着替えを終え、芽衣に言われた通り、ノアと秋翔を呼び出す。

ノアは問題ないが、秋翔については子供が戸惑う気がするが、芽衣がああ言っていたのだから、きっと大丈夫なのだろう。

良翔達はリビングに向かい、ドアを開けると子供達が真っ直ぐ走ってくる。

「パパお帰りー!」

「ノアちゃんもお帰りー!」

そして、子供達がピタリと止まり、秋翔と良翔を見比べて、コソコソ話し出す。

「ねーねー、どっちがパパなの?」

「私ねー、こっちの人だと思うよ?」

「分かったー!じゃあ、私はこっちのパパにするー!」

話し合いが終わったらしく、2人で一斉に良翔と秋翔にそれぞれ抱き付く。

「「こっちがパパで正解?」」

その光景に、思わず良翔と秋翔は目を見合わせ、ふっと笑う。

「正解は、パパはこっちでした!」

そう言い、良翔は2人に笑いかける。

すると秋翔に抱き付いていた奈々は、特に残念がる感じもなく

「じゃぁ、こっちが秋翔おじちゃん?」

と目をキラキラ輝かせ、秋翔に聞いている。

秋翔も奈々にニコリと笑い

「そうだよ、こっちが秋翔おじちゃんだ」

それを聞いた未亜と奈々は大喜びで芽衣に報告に行く。

どっちが当たったとか、こっちが秋翔おじちゃんだとか一生懸命説明している。

芽衣もそんな子供達の話に一つ一つ、うんう、それは凄いね!そう、それは凄いね!?と驚いたり笑ったりしている。

その光景に良翔もノアも秋翔も微笑み、互いにそのまま任意の席に座る。

秋翔の事は少し心配したが、芽衣があらかじめ親戚などと説明をしていたらしく、子供達は秋翔の帰りも楽しみにしていた様子だった。

子供達もひとしきり芽衣に説明をした後、各自の席に付き、芽衣を待つ。

芽衣が、お待たせ!と席に着くと同時に、元気よく、いただきます!、と子供達は食べ始める。

それに習い、大人達も食べ始める。

良翔達は異世界の話などは、子供達の前ではせず、子供達の質問や今日あった事などを聞きながら食事を進める。


食事の最中に、あ!と突然声を上げた未亜に大人が視線を向けると、未亜は良翔の方を見ながら、質問する。

「未亜はね、毎日、朝学校に行く時に、お隣のコロちゃんとお話するんだけどね、今日ね、未亜のパパは中に他の人が居るけど何で?って聞かれたの。パパ、それってどういう事?パパって、パパの中にパパじゃない人が居るの?」

良翔は笑いながら話を聞いていたが、未亜の突然の質問に戸惑う。

一体なんの事だろう、と良翔は疑問になる。

すると奈々も未亜の話を聞いて思い出した様に

「あ!それ奈々も聞いたよ!奈々は、道路にいたカラスさんから同じこと言われたよ!」

良翔は、2人の言っている事がイマイチ理解出来ず、芽衣に助けを求める視線を送る。

それを察知した芽衣は未亜と奈々に聞き返す。

「んと、未亜の言っているコロちゃんて、お隣の家のワンコの事?」

「うん!そうだよ!コロちゃんはワンコだよ!」

「そうなの?未亜はコロちゃんとお話しできたり、奈々はカラスさんとお話し出来たりするの?」

「「うん!!」」

未亜と奈々は同時に答える。

そこで、良翔はハッとする。

「まさか…、未亜と奈々は動物さんとお話し出来るって事なのかな?」

良翔が聞くと、未亜と奈々は

「「出来るよー!!」」

ノアと良翔、秋翔は顔を見合わせ

「『「ええ!?」』」

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