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サラリーマン、異世界へチート通勤する  作者: 縞熊模様
第1章
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ふとノアが思いつき、良翔に聞く。

『話ぶりからすると、明日はまだこの街で別の事をするのかしら?』

良翔は頷き

「ああ、明日はハザ達と約束したアースワイバーン達の復活と…」

ノアが、首を傾げる。

『アースワイバーン達の約束と…、他に何かあったかしら?』

すると良翔はニコリと笑い

「ああ、アダマンタートルを迎えにね」

ノアはそれまで、その存在をスッカリ忘れていたのだろう、手をぽんと叩き、ああ、と言っている。

「これから西へ向かう上で、仲間は多い方がいいと思ってる。相手がどれ程の力を持っているか分からないからね。戦力は多いに越したことはないんじゃないかな?ノアはイマイチかもしれないけど、賛同してくれるかい?」

ノアは軽く溜息を吐き

『そんな事は、返事を保留にした時点で覚悟してたわ。でも、毎日私達と分かれて、朝合流するって感じになるけど、その辺はどうするつもり?』

「うん、それについては、素直に自分の素性を伝えようかな、と。それで、俺達が不在にする間は、俺たちの代わりに、情報収集や治安活動なんかを行なって貰おうかな、なんて都合のいい事を考えてるよ。まぁ、それを俺達に同行する代わりの条件として提示する感じでね」

ノアは腕を組み、少し考えるが、すぐに諦めた様だ。

『まぁ正直なところ、そんなにあの亀を信用していいものなのかは疑問が残るところだけど、こればっかりはやってみないとなんとも言えないわね。たらればの話をあれこれ考えていても、キリがなさそうだし…』

良翔は笑顔で頷き

「そういう、ノアの臨機応変さも尊敬するよ。そして、助かってる。じゃあ、明日はアースワイバーン達を復活させた後に、アダマンタートルを迎えに行こう。そして、その後は、西へ向かう為の情報収集と準備だね」

『ええ、分かったわ。そういう事であれば、地図も今のうちに宿の執事男に依頼しておいた方が良さそうね』

「うん、それはノアにお願いしても良いかな?後は次の拠点となる街の選定と、その街の情報と周辺情報の収集だね」

ノアは頷き、早速、部屋のドア近くのベルを鳴らし、要件を伝える。

執事男は明日の昼頃までに揃えられる旨を告げると、おおよその費用も併せて伝えてくれる。

さすが、出来る執事男だ。

ノアが執事男に依頼を済ませ、席に戻って来たタイミングで、良翔は世界地図を取り出す。

良翔とノアは椅子を寄せ合い、地図を眺める。

良翔達が現在滞在しているタリスは大きな大陸の東寄りに位置している。

そこから、いくつかのルートが西に伸び、北西はアトス、西はジラトミール、南西はラクトナのとそれぞれ記載がある。

三者は国土領としては同じぐらいなのだが、環境が大きく異なっている。

北西のアトスは、その街のすぐ北に巨大な山を背負い、アトスの街を囲う様に更に山々が佇んでいる。

生活環境は厳しそうだが、守りについては万全そうだ。

タリスの西に位置するジラトミールは草原に囲まれてはいるが、良く見れば小さな沼があちこちに点在し、おまけに所によっては毒沼もあるらしく、行く手を最短では行かせない迂回を余儀なくさせるルートとなっている。

残すラクトナについても、南側は海となり、その東手前には、大きな川が行く手の進路を塞ぐ。

川の大きさからして、とてもじゃないが泳いだり、歩いて渡れる様な幅や深さではない事は容易に想像できる。

だが、いずれにしても空から向かう良翔とノアには大した障害にはならなそうだが、陸路を行く冒険者達にはちょっとやそっとでは向かえない場所なのだろう。

この地図を見ていて、良翔はふと疑問に思う。

西には大きな街はこれらの街以西も複数点在するが、どこに向かうにも、この三箇所のいずれかは経由せねば食料なども持たないだろう。

となると、このタリスの街を出て行った冒険者達はこのいずれかを目指したのだろうか。

だが、話を聞く限りではそんな大それた荷物を持って行った様子でもない。

となると、残すは街の東側にある、古の森の南にある村となる。

良翔は地図を目でおい、村に目をやる。

村はハタットという名前らしい。

そういえば四島は何故、北の村を襲い、そこを拠点としたのか。

何故、南の村ではなかったのか。

距離的に見れば、双方ともに、森からの距離は同じぐらいだ。

強いて違いがあるならば、街のそばを少し大きめの川が流れているかどうかだろう。

四島に聞けばその辺りの理由も確認出来るかもしれないが、四島の事だ、なんとなく北にしたとも言いかねない。

だが、もし、四島をそそのかした、あの男が北の村を狙う様に伝えたのであれば、南の村ではなく北にしなくてはならない理由があったと考えられる。

やはり、ダメ元でもう一度四島に話を明日聞いてみようという事と、一度ハタットに足を運んでみた方がいいかもしれないと良翔は思う。

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