10 桜散ったベンチで
10話。ついに二桁に突入です。
回を重ねるごとに面白くなれば良いのですが、文章と文字数が軽くなります。
ではゲームの出てこない10話目、楽しんで頂けたら幸いです。
「あー。何とかなってよかった」
いつものベンチで、唐揚げと、串に刺さった大きいソーセージを食べ終わった丞は、ため息のように一人言を言った。
小学校の桜はほとんど散ってしまい、葉の間に少し花が残っているだけだった。
丞は目を閉じた。
『何時に起きますか』
白い空間にシープが現れる。
「今日の事について話がある」
シープが消えていく。
「非実体モードになっても意味ないでしょ」
『そんな事はありません。丞様からの物理的干渉を100%防げます』
「叩いたりしないよ」
『本当ですね?』
シープが丞の前に現れる。
「シープのお腹を、黒く塗るのにポイントはいくら必用?」
丞はいたずらっぽく聞いてみた。
『塗っても見えませんよ。模様の変更は五百ポイントからです』
シープはタキシードのお腹を押さえて答える。
『それより今日みたいな事を防ぐ為、フぃみョンをシングルモードにしてはいかがです?』
シープが話をかえる。
「そうだね。フぃみョンの設定変更、シングルモードに」
丞が真面目に言った。
『シングルモードに変更しました』
シープも真面目に答える。
「いやー、それにしてもあせった」
『マルチモードだと同じ部屋の寝ている人が全て、初期設定用の空間を体験出来ますからね』
「起きる時間を確認して持ち主が許可すればインストールだっけ」
『丞様は持ち主なので、自動的にインストールされました』
「ステータスオープンって叫ばれたときは、びっくりしたよ」
丞の前に半透明のウインドウが現れた。
飯堂寺 丞
お試しポイント:500
専用ナビ:シープ
「HP MPとか出ないね」
『能力測定ゲームをすれば、現在の丞様が、どのくらいの能力か表示できますよ』
「ポイントいるよね」
『もちろんです』
「じゃあいいや、あの五人どうなると思う」
『相互に記憶を補完するので、今日の事は忘れないでしょうね』
シープがため息をつきそうな雰囲気で言う。
『証拠は無いので、集団催眠とか、集団幻覚と理由をつけて、落ち着くのではないでしょうか』
「そうだよね。じゃ大丈夫かな」
『コンビニの店員さんが、こちらを見ています。丞様を起こしにきそうです』
「わかった、じゃ、また夜に」
丞が目を開けると、ちょうど店員さんが出てくるところだった。
「起きたの。まだ寒いから寝ると風邪引くよ」
優しそうなコンビニの店員さんは丞に声をかけると、そのまま灰皿の方へ片付けに行った。
「はい、気を付けます」
店員さんに返事をして、ゴミを捨てた丞は寮に帰る事にした。
次回は、やっとフぃみョンにいきます。
お楽しみに。




