魔王だけど人間に好かれたい
[ねぇお父様、なんで僕は人間に嫌われてるの?]
[それは私の息子で次の魔王だからだ。]
[そうなんだ…]
[お前は人間に好かれたいのか?]
[うん!]
[そうか。]
[でも、お父様の方がもっと好きだな!]
[それは嬉しいがお前は人間に好かれたいのなら私とは逆のことをしなくてはならない。]
[どうして?]
[魔王は人間を滅ぼすことこそ生業だ、だが
お前は、人間に好かれたいのなら人間を助けなくてはならない。]
[そしてそれは人間の心を開くのに最も最適な手段なんだ。]
[じゃあ僕も人間を滅ぼさなくちゃいけないの?それとも助けるの?]
[それは…いや、お前は次の魔王だ
皆お前の判断で好きにすれば良い
そう、お前の好きなように。]
[んっ夢?今のは…お父様?]
あぁそうだ今はもうお父様が亡くなって十四年経ってるんだ。今はファルベと幼馴染みのミナトと三人で山奥の小さな家で暮らしてるんだ魔族の民も家を焼かれ残ったのがたった俺とファルベと幼馴染みのミナトだけ
あの時は、[三歳だったな…]
お父様が亡くなる一週間前の記憶
お父様は、人間に殺された。
だけど、俺は幼馴染みのミナトと一緒に助かった。ミナトは俺とちょうど遊んでいたから。お父様の側近のファルベが助けに来てくれて…
あの時城は燃えお父様を亡くし城に使えていた者もファルベを除いて死んでしまった。
あの時ファルベが助けに来たときにはお父様は殺されてしまっていたらしい。
だが、まだ息が合ったらしくファルベが助けようとしたがお父様が
[頼む…私ではなく…息子を…レイス・フォン・ルーゼンを…助けて…く…れ………]
[魔王様!魔王様!…そんな…魔王様…]
[分かりました…]
[魔王様このファルベ!命と引き換えにしても
レイス様をお守りいたします!]
コンコン ガチャ
[おはようございますレイス様]
[レイス様お食事の準備ができていますよ]
[あぁ おはよう分かった]
[よ!おはよ!]
[おはようミナト]
[辛気くさい顔だなどうした怖い夢でも見たか?]
[怖いと言うか昔のお父様がなくなったときの記憶を見た]
[…大丈夫か?]
[あぁ大丈夫だ]
[それなら良かった]
[…お二人ともお食事の用意ができてますよ]
[今行く]
[レイス様あなたは、お父様の敵討ちをしたいと思いますか?]
[いや、思わない]
敵討ちをしたところで何にもならない死んでしまった者がよみがえるわけでもないそれに俺は[人間に好かれたい]
[………え?それはどう言う?]
[そのままだ、俺は あの悲劇をも生みたくない]
[それに俺は人間が好きだから これから助けて皆に好きになってもらってこう]
[分かった]
[分かりました]
[二人ともありがとう]
これから人間を助け皆で幸せの生活を手に入れるために俺はこれからどう好きになってもらっていくのか考えなくてはこの先の幸せの未来のために。