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モエー、呼ばれたくない
ウサギのセシルさんは私の名前をつぶやいて練習し、やっぱり発音できなかったのか『うん、モエーね。』となった。
モエーって何か恥ずかしい。
萌え~って男の子にからわれた事あったんだよね。
『で、マスター。
彼女が働いてくれるんでしょう?!
もう、今日からでも大歓迎ですよ!!』
癒し系美人なのに、鼻息あらく迫ってくるのは止めて下さい。
迫力が凄くて恐いんですけど。
『マスター、私もう、1ヶ月近くお休み取れてないんですよ!
このままだと体壊しますよ!
私、仕事辞めちゃいますよ!!
絶対モエーは逃がさないで下さいね!!!』
赤い目なのに、血走ってるのが判りますよ。
ここはブラック企業でしたか?!
『わかったから、セシルちゃん、落ち着いて。
まだモエーを案内してる途中だからね。
大丈夫。
モエーはセシルちゃんの期待を裏切らないさ。』
そこで意味深に私を見るのは止めて下さい。
ブラック企業だと判っても断れなくなるじゃないですか。
そして、ジローさんまでモエーと呼ぶのはどうかと思います。