第098話 畑を荒らす存在~前編~
食後、ナツキに交渉してお土産分にと焼いた串を10本と、その串焼きに使われていたお肉、約30㎏分をもらえる事となった。
といっても、最初は数本だけで良いからとお願いしたのだが、ナツキがそれなら、とメイド達に指示を出し、10本焼いてもらえた上に、これも持って行けとアイテムボックスから肉の塊を取り出したのだ。
これには心から喜んだ。
ホント、大事に食べなければ!
お土産を受け取り、収納の腕輪へとボクとルーリアは、また明日と言い、宿へと戻る。
部屋に戻った後はルーリアと1度だけ致し、気持ちの良い疲労とルーリアの体温を感じながら眠りに就いた。
そして翌日。
目覚めたボク達はまず温泉に入りに行く事にする。
一日の始まりから、あの気持ちの良い温泉に入るのはきっと最高だろう。
まぁ、本音は身体をサッパリとさせたいからなのだが。
「それじゃあ30分後」
「ええ。分かったわ」
温泉の入り口でそんな会話をした後、ボク達は別れて脱衣所へと足を踏みいれた。
以前までならお風呂なんてほとんどがシャワーだけで済ませていたので精々5分程で済ませていたのだが。
昨日、ここの温泉の気持ち良さを知った事により、今では30分位は余裕で入れるし、寧ろもっと入っていたい気持ちですらある。
多分、1時間くらいは浸かっていられるだろう
「(まぁ、流石にそんなに入ってたら逆上せるだろうけど)」
そんな事を考えながら服を脱ぎ終わったボクは、それから30分、蕩けそうな気分に浸り続けていた。
「おかえりユウキ様」
程々の所で温泉から上がった後、ロビーでハキムを見つけ、軽い朝食を部屋に届けてほしいと伝えてから部屋に戻ると、部屋には既にルーリアが戻って来ていた。
ボクは「ただいま」と答えるなり、そのままルーリアの隣へ腰かけ、朝食が届くまでの短い時間をのんびりと過ごす。
それから約30分後、朝食も食べ終わり、満腹感と共に睡魔が再びボク達を襲う。
「ふゎ~~」
大きな欠伸をするなり、ベットの上に身を投げ出すボク。
そんなボクの隣にルーリアも横たわる。
そして気づけば、ボク達は眠りについていた。
それから約3時間後、目覚めたボク達は少し散歩に行こうかという事となり、[恵みの湯]を出てオルリア村へとやって来た。
現在ボク達の目の前には大きな畑と、そこで働く村人達の姿がある。
「昨日は遠くに見ただけだったけど、こうして近くで見るとホントに広いや」
「ですね。これだけの広さがあれば、村全体で使う分と、私達が泊まっているあの宿で出す料理の分は十分に確保出来そうです」
そう口にするルーリアに「だね」と返事をしながら、目前に広がる畑を眺めていると、右前方に見える森に獣臭を感じとった。
何かがこちらに近づいているみたいだ。




