表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/604

第091話 物語の中の人達~後編~


 お茶を啜りながら[もう一人の子]について思考する。


 今隣でお茶を啜っている、この家の主にしてあの物語の主人公であるナツキが、つい今しがた口にしたその言葉の示す人物は一体誰なのだろうか?


 現在、ミール、ノア、シア、ミリーエル、エルと、5人の嫁がこの場に居る。

 そして先程のセリフに出て来た[もう一人の子]という人物を、6人目の嫁であるレイが迎えに行っている。

 あの物語の中では、ナツキの嫁はこの6人で全員のはずだ。


「(いや待てよ?もしかして、あの人も嫁になったのかな?)」


 ふと頭に浮かんだのは、あの物語の序盤で登場する、冒険者ギルドの受付嬢をしている猫人族の女性だった。

 

「(確か名前は…)」


 と、そこまで考えた瞬間、ガチャと扉が開く音と共に「連れて来ましたよマスター」という、明るい声が聞こえて来た。

 振り返ると、そこには長い白髪に真っ赤な瞳、そしてスタイルの良い一人の女性と……予想外の人物が立っていた。


「ルーリア!?」


「ユウキさん!?」


 ほぼ同時にお互いを認識し、そして名を呼び合う。


「どうしてここに!?」


「えっと、私も何が何だか、ただ…」


 ルーリアの説明によると、ふと気づくと海に浮かぶ孤島の様な所に立っていたらしく、そこで運命神と名乗る女性に会ったそうだ。

 そしてその運命神(モイラ)から、突然「今回は特別ですよ?」とだけ言われ、次に気付くと、この村のすぐそばに立っていたとの事。


 それを聞き、せめてもう少し説明してあげてもいいのでは?と思ったが、そうするとボクの事についても話さないといけなくなる。


「(ん~、もういっその事、話してしまった方が良いか)」


 そう思い立ったところで、ボクはナツキに少し説明する時間をもらい、ルーリアを隣に座らせた後自分の事について話し始めた。


 自分は別の世界で生まれた事や、どうしてルーリアの居た世界、ルヴィアートに来たのか。

 そしてそれらの説明が終わると、今度はここがルヴィアートでも、ボクの居た世界でもない事や、この場に居る人たちの事について簡単に紹介していくのだが…


「ちょっと待って?なんでユウキは俺達の事をそんなに知ってるんだ?」


「え?」


 ナツキの思わぬ反応に、ボクは少し驚いた。

 というか、ナツキだけではなく、この場に居るナツキの嫁達も驚いているようだ。


 てっきり自分の事が小説になっている事を知っているとばかり思ってたんだけど、どうやらそうでもなさそうだ。


「(だけどまぁ、運命神モイラ様に口止めされたりしてないし、教えてもいいよね?)」 


 後で怒られたりしない事を心配しつつも、ボクは口を開く。 


「えっとですね、実はナツキさん達の活躍って、モイラ様が小説にしてあちらの世界の[小説家になってみよう]っていうWEBサイトにアップしているんです」


「えええ!?どういう事!?ってか、え?ジで!?」 


「はい、マジです」


 ボクの真面目な返答に、ナツキは「oh…」と頭を抱えるのだった。 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ