第079話 その叫びは木霊する
この話の中では書いてませんが、この空間で1分経過すると、ルヴィアートでは5分経過している設定です!
(ちゃんと物語の中で書けよというツッコみは無しでお願いします!)
「ふぅ。とりあえずこれで一昨日分までは書き終えたかな」
何もない、ただ真っ白なだけの世界でとある作業をしていた私は、キリの良いところで一息入れる。
因みにその作業とは、モイラお姉さまに脅迫された、ユウキさんの行動記録を付ける事。
なんでも私の付けた記録を元に、新たな小説をアップするんだとか。
以前書いてた、ナツキさんという、モイラお姉さまが自分の管理する世界へと転移させた方を主役にした作品があるのですが、その作品が最終回を迎えたところ、ファンの方達から次の作品は書かないのですか?といった感じのメッセージが沢山来たらしく、それらを見たお姉さまは、新たな作品を書く事にしたそうです。
「あの時のモイラお姉さま、やたらと熱く語ってたなぁ」
その時の事を思い出しながら凝った身体を私はほぐす。
「そうだ!ちょっと息抜きがてら、ユウキさんをここに招きましょっと。丁度呼び寄せるだけの理由もあるしね」
そんな独り言を零した後、先程まで作業で使っていた|コンソール《78話に登場した黒いパネル》に、ターゲットの現状を映し出す。
「あらあら、仲良く眠っているわね。気持ちよさそうに眠っているところ悪いんだけど、私の息抜き…じゃなかった、大事なお話の為に呼び出させてもらいますね」
ごめんね?と口にし、コンソールを弄って私はユウキさんの精神をこちらへと呼び寄せる。
だがしかし、何故かユウキさんは私の前に現れる事は無かった。
「あら?おかしいわね…あ!いけない!私ったら座標を少し間違えてたわ」
失敗した事に溜息を吐いた後、ユウキさんが居る座標はそう遠くない場所だった事もあり、私はすぐにその場所へと転移する。
こうして無事にユウキさんと合流し、私はいつもの場所へとユウキさんごと転移。
その後お茶でも飲みながらゆっくりとお話をしようかと思ったのだけど、ユウキさんたらすぐに本題を求めてくるから、予定を変更して先にそちらを済ませてしまおうかと思ったのだけれど…
「(まだ魔石を取り出してなかったのね…ちょっと誤算だわ)」
とりあえず成長素材となる魔石が無い事には話にならないので、解体場所を用意してあげる事に。
用意してあげた道具は最高級レベル。
けれど、解体の腕がまだまだ未熟なユウキさんは10分経っても出てくる気配はない。
ちょっと中の様子を覗いてみると、まだオークの解体すら終わっていない。
これはまだまだ時間かかりそうと判断した私は、待っているのも暇なので、再びモイラお姉さまの為の作業に手を付け始める。
本当は息抜きする予定だったはずなんだけど、どうせ暇なら少しでも作業を進めておかないとね。
もしアレの完成が遅れたりしたら、きっとモイラお姉さまにお仕置きをされちゃうし。
そんなこんなで1時間後、漸く解体場から出て来たユウキさんに気付き、私は作業を中断し、その後漸くユウキさんに[心具]の成長方法を教える事が出来た。
そして成長し終え、その性能を確認し終えた頃、ルヴィアートでは朝を迎える時刻である事に気付いた私は、ユウキさんを元の身体に戻す事にしたのだけれど…ここで私はミスをした。
そのミスの内容とは、ユウキさんの帰る先の座標の一部を間違えてしまっていた。
「きゃぁぁぁぁ!!!私ったらなんてミスを!!」
そのミスに気付いた時のこの叫びは声は、誰に聞かれることも無く、只々虚しくこの空間に木霊していた。
因みにこのミスに気付いたのは、この空間での1時間が経ってからの事である。
ちょっと駆け足気味に終わらせたような気がするのは気のせいです!
そう言う事にしておいてください。
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