第073話 出オチなオーク、そして調査は終了に
オークの姿が見えるなり、すぐさま[心具]を剣から杖へと替えたボクは、魔力を少しだけ控えめにしたアースグレイブを放ち、オークに向けて放つ。
魔力控えめといえ、[心具]の杖を使ったともなれば十分な威力を発揮し、姿を見せたばかりのオークは、アッサリとその体を貫抜かれる事となる。
オークは岩槍で串刺し状態になりながらも、少しの間手足をジタバタ刺せていたのだが、やがて動かなくなる。
その後オークとウルフの死体を収納の腕輪へと取り込んだ。
「周囲には他の敵は居ない様ですね」
頭の猫耳をピクピク動かしながら周囲の様子を伺いつつも此方に近づいて来る。
そしてすぐ傍まで来ると、その視線はボクの左肩へと向けられる。
「大丈夫…なんですか?」
「かなり痛い。とりあえず治癒魔法を試してみるよ。ルーリアは周囲の警戒をお願い」
そう言った後、ルーリアの返事を聞いたボクは地面に座り込み、[心具]を左肩へと近づけ、目を閉じる。
因みに[心具]を傷口に近づける意味は無い。
そんな事を知らないボクは、目を閉じるなり、傷口が治っていく様子を思い浮かべる。
左肩の痛みにより集中する事が出来ず、中々上手くイメージが固められなくて何度も失敗を繰り返したのだが、30分程頑張り続けた事で漸く成功する事が出来た。
「やっと成功か…」
「お疲れ、ユウキ様」
「はぁ…ッ!!」
「ユウキ様!」
溜息を吐きながら立ち上がろうとしたその時、軽い眩暈に襲われ、再び地面に座り込んだ。
それを見てルーリアはボクの名前を呼びながら傍へと駆けて来た。
どうやら気付かない内に魔力を使いすぎており、魔力残量がほとんどなくなってしまっていたようだ。
「大丈夫、ちょっと魔力を使いすぎていただけだよ」
「そう?……じゃあもう暫く周囲を警戒をしてるから、ユウキ様は少し休んでて」
「うん。ありがとうルーリア」
ボクの事を心配してくれたルーリアにお礼を言い、その場に胡坐を組んで座り込み、休憩させてもらう。
そうして休む事約30分。
体調もある程度マシになり、ボク達は今日の調査を切り上げ、街へ戻る事にした。
その道中、何度かフォレストドックと遭遇する事はあったが、それらはルーリアに任せ、結局3時間程掛けて漸く街へと到着した。
そして到着するなりまずは報告をする為、冒険者ギルドへと足を運んだ。
「お二人とも無事で良かったです。お二人以外にゴブリン調査の依頼を受けた方から、平原のモンスターが森に居たと報告があったので心配していたのですよ」
ギルドに入り、左奥の受付にアミルの姿を見つけ、そちらへと足を運ぶと、アミルはボク達の姿を見るなり、ホッとした様子で、そう話しかけて来た。
ボクは今日の調査で西の森と北の森を見て回った事を伝えた後、北の森ではウルフと遭遇し、それを討伐した事、そして西の森でも北の森でもゴブリンの姿は発見する事が出来なかったのを報告した。
尚、その報告の中で、ボクが怪我をした事については伝えていない。




