第067話 結局は…
「ではユウキ様、イタしましょう!」
あれ?おかしい、どうしてこうなった?
ついさっきまでルーリアは涙を流していたはずなのに、今は色々と吹っ切れたような笑顔でボクのマウントを取っている。
完全に捕食者と被食者といった構図が出来上がっているのだ。
「ちょ、ちょっと待って!?ちょっと落ち着こうかルーリア!」
段々と息が荒くなり始めているルーリアを落ち着かせようと必死になるが、一向に大人しくなる様子が無く、ついにはルーリアがボクの上服を掴み、脱がせようとする。
ホント、なぜこんな状況になったのだろうか?
ほんの少し前の事を思い出してみる。
確かあの時、ルーリアはボクの言葉を聞いて驚きながらも涙を流し始めた。
そんなルーリアに対し、ボクはあたふたしながらも何とか落ち着いてもらおうとした。
その結果、ルーリアの涙は漸く止まり、その後数分間ほどルーリアは何かを考えている様子が続き、沈黙の時が過ぎた。
そしてルーリアが突然「決めた!」と声を上げたと思ったら…「イタしましょう」と言い出した、という訳だ。
一体ルーリアの中で何が纏まって何を決めたのか説明が欲しい。
ってなわけで、その辺の事を聞いてみようと思うのだが、その前に…
「ルーリア、ストップ!ストーーップ!!」
ボクの上服を脱がし終え、次にズボンに手をかけようとするルーリアの手を掴み、力づくでソレを阻止する。
「どうしました?大丈夫ですよ?私も未経験ですが、ちゃんと知識はありますから」
ルーリアも未経験なのか…ってそうじゃない!
「いや、そうじゃなくてね!?なんでそんなに積極的なの!?」
ボクの質問に、ルーリアは右手を口元に当て、ほんの1,2秒程考える素振りを見せた後、真顔になり、ボクの質問に答え始めた。
「いっその事、ユウキ様に私の味を覚えさせ、もう手放す事が出来ないようにしてしまおうと思ったから、ですかね」
「ですかね、じゃないって!どうしてそんな考えに行きつくのさ!明らかに少し前まで抱かれる事に対しての覚悟が出来切れてなかった感じだったよ!?」
じゃないとあんな不安そうな顔で覚悟は出来ているなんて言わないし、ボクの言葉で涙が出たりしないはずだ。
「ええ。確かについさっきまではそう思っていたわ。けどね、私思ったの。あんな風に優しい言葉をかけてくれる優しい主なんて他に居ない。ううん、もしかしたら居るかもしれないけど、その確率はかなり低いわ。だから、ユウキ様が私を手放せなくなるように努力しようって」
頬を赤く染めながらも、再び捕食者の表情になりながらもそう口にするルーリア。
「努力するのはいいと思うよ?けどその方法は間違えてるんじゃないかな!?もっと自分を大事にしようよ!」
「大事に思ってますよ?だからこうして今後の自分を守る為、こうしてユウキ様を誘惑しているんじゃないですか」
マウント状態で相手の服を脱がしていくという行為は誘惑ではなく襲っていると言うのではないのだろうか?
ふと、そんな疑問がボクの頭を過る。
「いや、それだと女の子として大事なモノを犠牲にしてるよね!?」
「けどその犠牲一つでユウキ様が私を手放そうと思わなくなるのなら問題ないわ。それに…」
そう何かを言いかけた瞬間、ルーリアはニッコリと笑顔を見せる。
「きっと優しいユウキ様の事だから、私の初めてをあげれば責任を感じてずっと傍に置いてくれそうだもの!」
「いやいやいや、その考えはおかしいでしょ!もしかしたらボクの気が変わってルーリアを手放す可能性だってあるんだよ!?」
「ううん、それは無いわね」
ボクの反論に対し、ルーリアは自信たっぷりに答える。
なんでそう思うのかと尋ねてみると…
「こうして私の事を心配してくれている優しいユウキ様が、そんな事出来るとは思えないもの。だから、ね?諦めて私の初めてを奪って」
ダメだ。
まるでルーリアを説得できる気がしない。
それに、先程からルーリアを引き離そうと力を入れているのに、何故か全く引き離せない。
このままじゃ、ルーリアの初めてを奪うどころかボクの初めてが奪われる!?
………
……
…
翌日、目が覚めたボクの隣には、裸のままでスヤスヤと眠るルーリアの姿があった。
そんなルーリアの姿を見ながら、ボクは昨夜の事を思い出す。
結局、ボクも途中まではなんだかんだと抵抗していたのだが、それでも尚迫り続けるルーリアのその覚悟に、これ以上抵抗するのも逆に失礼だと自分に言い訳をし、ボクは被食者から捕食者になったのである。
色々と書き直してたら日付が分かってた…




