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第056話 ぶらりと散歩を


 軽い夕食とお風呂を済ませ、早い時間から眠りへと就いていた。


 そして翌日、陽が登り始めた頃に目を覚ましたボクは、ベッドから起き上がり体調の確認を始めていた。


「身体の怠さは無し。魔力も完全回復出来てるな。…よし!もう大丈夫!」


 どうやら完全に体調は回復出来たようだ。

 やはり落ち着ける場所でしっかりと休めたのが良かったのかな?


 そんな風に思っていたタイミングで、ボクのお腹から空腹を主張する音が聞こえて来た。


「お腹空いたな。朝食は…まだ早いよな…」


 そう言って部屋に置かれている時計を確認してみると、時刻はまだ朝の6時半を少し過ぎた頃だ。

 あと30分も待てば朝食が食べられるが、妙にお腹が空いており、今すぐ何かを食べたい気分なのだ。


 そう思っていると、ふと収納の腕輪の中に3日前に買った串焼きがまだ残っている事を思い出した。

 3日前といっても、収納の腕輪の中では時が進まないので、問題なく食べられる。

 むしろ焼き立てを買っていたので、すごくアツアツだ。


 とりあえずその場しのぎ分あれば良いので、1本だけ食べる事に。

 あの屋台の串焼きは、1本当たりの肉の量が多いの事もあり、ソレを食べ終えただけで十分にお腹を落ち着かせることが出来た。


 これで朝食までは十分に持つだろう。


「さて、朝食までの暇な時間をどう過ごすか…」


 昨日は早い時間からグッスリと眠っていたおかげで眠気も無く、完全に目と頭が覚めているのだ。

 なので2度寝を、という気分でもない。


「折角だし適当に街中を散歩(ぶらぶら)してくるか」


 そう思い立ったところで部屋を出て1階に降りると、受付にはミラノが座っており、何やらウトウトしている。

 なんだか起こすのも悪い気がするので、カギは自己責任で管理する事にし、ボクはそっと街へと繰り出した。


 街の大通りに来ると、そこには既に露店や屋台が幾つか並んでおり、道行く人もそこそこ居るのだが、その大半は武器や防具を身に着けた冒険者である。

 そんな行きかう人々の観察をしながら、ボクはあちこち歩き回る。

 

 そして、宿を出てからそろそろ1時間が経とうかという頃、ボクは街の東側まで来ていた。

 周囲には小さくてボロボロな家が立ち並んでおり、そこに住む者達の身なりも、それなり(・・・・)だった。


 つまりここは、スラム街である。


 周囲からは、よそ者であるボクを警戒するような視線が幾つか感じられる。

 流石に一人でこれ以上先に進むのは危険だろう。


 そう思い、ボクは来た道を戻り始めた。

 そしてその帰り道、ボクはスラム街との境目辺りに位置する場所で、少し大きめな家が、12万ルースで売りに出されているのを発見した。


 家の相場なんてわからないが、昨日マリスティアから聞いた借家の月額を参考にすると、かなり安いものだと思える。

 正直、何か訳アリ物件ではないだろうかとも思える程だ。


 パッと思いつく範囲では、スラム街のすぐそばだという事くらいだろうか?

 

「でもまぁ、この家を12万なら…ありだよな」


 そんな事を小さく呟きながら、ボクはしばらくその家を眺めていた。

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