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第498話 本来の効果と副作用


 コソコソと伝えて来たという事は知られたくない事なのかもと思い、皆の視線を受ける中ボクはクミを連れて部屋の外へと出た。


「で?さっきのはどういう事なの?」


「えっとね、私の血を少し飲めば治る可能性が有るかもしれないの」


 クミの血、つまりはドラゴンの血である。

 確かに物語などではよくある設定だが、まさか本当にそんな効果があるとは…


「今まで呪いの[の]の字も出なかったからすっかり忘れてたんだけど、前にお母様から聞いてたのを思い出したのよ」


「まぁ、確かにこの世界に来てから呪いなんて気にしたことなかったしな。それより、その話が本当なら少しだけ血を分けてもらう事は出来るか?」


 身内に血を分けてくれなんてお願いするのは気が引けるのだが、一国の王としてではなく、シャルの父親の為にと思いながらもボクはお願いしたのだが、それに対しクミは微妙な表情を浮かべた。


「血をあげる事自体は別にいいのだけれど、問題が一つ。後、絶対にこの話は秘密にしてもらいたいの」


「秘密云々については必ず約束してもらう様にするよ。それより、問題って何?」


「えっと、副作用…というよりもこっちが本当の効能なんだけど…私かお母様の血って、若返りの効果とかがあるのよ」


「…あ~、うん、なるほど。確かにそれは絶対に秘密にすべき事だ。完全に面倒事が起こる素だわ」


 若返りなんて効能が世間に知られたら、確実にそれを求める者が現れるだろう。

 交渉してくる程度ならまだマシだが、実力行使で来たとなれば、相手にするのが面倒だ。


「って、ちょっとまって。若返りの効果とか(・・)って事は、他にもあるって事だよね?」


 若返りという危険ワードのせいで危うくスルーしかけたが、他にもまだ効果がある事に気づき質問してみると、クミは露骨に視線を反らす。


「その…強烈な催淫効果が…ね」


「強烈なのか…シャルロットの弟か妹が出来る可能性があるな」


「寧ろ確実にできるわよ。そういう効果もあるから」

 

「どんだけ効果があるんだよ…設定盛り過ぎだろ」


「私も初めて聞いた時は似たような感想を抱いたわよ」


 そう言うとボク達は目を合わせた後、揃って深い溜息を吐いた。


「まぁ、とりあえずは助けれる目途は付いたわけだ。後は今回の事を機密扱いしてもらう確約と…別の副作用の対処を頼まないといけないくらいか」


 王妃様相手に副作用の対処についてお願いするのはかなり気が引けるが、これも必要な事だと割り切り、ボクはクミと共に室内へと戻る。

 そしてローレライ王妃にだけ重要な話があると伝えたところ、信用してもらえているからか、それならば隣の部屋に行きましょうと言われ、ボク達はそちらへと移動した。


 隣は執務室となっており、ローレライ王妃は部屋の中央にあるソファへと腰を下ろした。


「重要な話とやらの前に、夫は、ヘルムートは助かるのですか?」


「はい。ですがその為には一つ確約して頂かなければなりません」


 ヘルムート王が助かると聞いて喜んだローレライ王妃だが、確約すべき事があると聞いた瞬間、その表情は真剣なものへと変わる。


「ソレは、どの様な事でしょう?」


「別に無理難題を言うつもりはありません。今回使うモノの事を絶対に秘密にしてほしいのです」


 此方も真剣な表情で話すと、ローレライ王妃はそこまで秘密にしたい理由について聞いて来たので、クミに聞いた本来の効果や副作用について話し始めるのだった。

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