表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
488/604

第485話 許可必要?


 ボク達に詰め寄られ、クロエはスラム街での出来事を話し始めた。

 そんなクロエ曰く、スラムにある解体場の裏でマルクはリリーナに告白されていたらしい。

 しかもその様子は沢山のスラム街の住人達が建物の陰から見ていたそうだ。


「えっと、リリーナちゃんて確かあの地下に居た女の子だよね?」


「そうっす」


「マジか…で?マルクはそれにどう答えてたの?」


「それがまだ返事してないんすよ。少し考えたいから明日まで待って欲しいって言って、その場から逃げちゃったんす」


「あらら。マルク様はリリーナ様が嫌いなのかしら?」


「結構可愛らしい子だったし、ソレは無いと思うんだけどなぁ?…告白の現場を見たクロエとしてはどう思う?」


 告白の現場を見て来たクロエなら、ボク達よりも情報が多いはずと思いながら聞いてみると、クロエからは脈はあると思うとの返事が返って来た。

 その理由について聞いてみたところ、何でも家に帰る途中で何度かマルクが嬉しそうな表情をしていたからだと答えた。


 確かにそんな様子を見たというのなら、脈有りだとは思うが…それだと何故マルクは返事を先延ばしにしたのだろうか?

 その理由が気にはなるが、そろそろのぼせてしまいそうなので考えるのは止め、ボク達はお風呂から上がる事にした。


 流石に1時間近くもお風呂から出てこなかったので、中で何があったのかを察したクミはボク達を見るなり溜息を吐いていた。

 それを見たボクは、明日の朝の内に家を拡張をしようと心に決め、自分用のベットに寝転がる。


「ユウキさん、ちょっと話しがあるんだけど、いいかな?」


 特にすることも無くベットでゴロゴロしていると、ベットの傍にやって来たマルクが話しかけて来た。


「全然かまわないけど、その前にちょっと移動する?」


 ボクの質問にコクリと頷くマルク。

 状況からして、これはリリーナの件についてだろうと思いながらも、ボクは体を起こしてマルクと二人で家を出る。 

 そうして向かった先は街の中央にある広場だ。


 既に陽が落ちており、人の往来も数える程度である。

 そんな中、ボク達は広場の中央に設置された、街灯に照らされているベンチに腰掛けた。


「で?話って?」


 ボクに続き、隣にマルクが腰かけるのを確認すると、夜空に輝く星に目を向けながら早速用件を聞いてみる。


「ユウキさんは、リリーナって女の子の事、覚えてる?」


 やはり話とは例の告白の件の様だ。

 予想通りと思いながらも、まるで何も知らないかのような態度でマルクの質問に「覚えてるよ」と答えた。


「今日、その子に告白されたんだ」


「おぉ!やったじゃないか。で?マルクはどう答えたんだ?」


 これまた既に知っている事だが、知らないふりをするためにあえて聞いておく。


「返事は明日まで待ってくれって…」


「女の子から、しかも可愛らしい子から好きだって言ってくれてるのに、なんで?」


「ちゃんとリリーナと付き合って行けるかどうか不安で…。後は、ユウキさんにもちゃんと許可を貰ってからにした方が良いかなって思って」


「ボクに許可?」


 なんでまた許可なんて必要だと思ったのか?

 不思議に思い首を傾げるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ