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第475話 プルースト現象


 ルーリア、クロエ、アミルの3人に色々と要求された夜を過ごした翌朝、目が覚めても体に疲れが残ったままだった。

 色々と要求されたものだから、昨夜はいつにも増してハッスルしたのが原因だろう。 

 正直、3人を相手にするのは体力的に辛いが、それでも求められれば答えよう頑張ってしまう性質(たち)なので、こうなるのは必然である。

 とはいえ、この疲れについては決して後悔はしていない。

 寧ろ、男冥利に尽きるというものだ。


 きっと満足してもらえたに違いない。


 そう思いながら一緒のベットで眠る3人寝顔を見て楽しんだ後、3人を起こして朝風呂へと向かった。

 それから1時間後、お風呂から上がり広間に行くと、そこにはクミとマルク、そしてロゼの姿があった。

 

「おはよ…って、妙に疲れた顔してるけど朝っぱらから頑張りすぎなんじゃない?」


 ボク達の姿を見てそう口にするクミに、ボクはスーっと顔を逸らす。 

 

 タダでさえ昨夜の疲れが残っていたというのに、流石にお風呂でワンプレイしたのはマズかったかもしれない。

 でもこれは仕方のない事だと言いたい。

 

 というのも、お風呂場で服を脱いだ際に昨夜の名残(匂い)がルーリア達についており、ソレに触発されて我慢出来なくなってしまったのだ。

 因みこれはプルースト現象といい、匂いを引き金に何かの記憶が呼び起こされるというものだ。

 きっと誰しもがそのプルースト現象を経験した事があると思うが、今回はそれの夜の行為バージョンだ。

 しかも獣人となった今は人間の時よりも嗅覚が鋭くなっており、余計に強く匂いを感じ取ってしまい、ボクとルーリアとクロエの3人はその気になってしまった。

 そんなボク達3人に触発され、アミルもヤル気になってしまったという訳だ。

 

「最低限周りへの配慮さえ考えてくれれば私は何も言わないつもりだけれど、せめて表情に出ない程度に我慢した方がいいわよ?」


「分かってはいるんだけどね…」


 呟く程度にそう答えたが、クミにはしっかりと聞き取れていたらしくジト目を向けられてしまった。


「…まぁいいわ。それよりもお腹が空いたのだけれど、何かない?」


 これ以上言うだけ無駄だと思ったのか、それ以上の事は何も言わず空腹である事を伝えて来たクミに、ルーリアはすぐに作るからとキッチンの方へと駆けていった。

 それから10分少々の時が経ち、大量のサンドイッチが目の前に置かれ、ボク達は思い思いに手に取り食べていく。

 昨夜から続いた運動により空腹状態だったお腹が満たされて行き、用意してくれたサンドイッチはあっという間に完食となる。


 食後は少々の休憩時間をとり、落ち着いたところでボク達はクラドに向かう事にした。


 とは言え、街中から出発すると目立ちすぎる上に騒ぎになってしまう。

 なのでまずは街の外へと通じる門で入出の手続きを済ませた後、門番をしていた衛兵にこれからする事について一言断りを入れておく。 

 この手順を踏んでおけば多少は騒ぎになっても大丈夫なので、後は遠慮なくクミには元の姿へと戻ってもらい、ボク達は籠に乗り込みクラドへ向けて出発した。


 大急ぎでという程には焦っていない今回はのんびりと、とは言え馬車に比べれば何倍もの速さで大空を移動していた。

 現在のスピードならば王都⇔クラド間の移動は4.5時間といったところだろう。

 ただ、それもずっと移動を続けていたらの話であり、そんなに長い間ジッと景色を見ているだけというのもしんどいし、ボク達を運んでくれているクミも…見た目は元気だが気持ち的には多少なりとも疲れるはずだ。


 そんな訳で、全体の半分ほどの距離を進んだところで綺麗な水が流れている小川を見つけたので、その傍に降りてもらい休憩する事となった。


 周囲には魔物等の気配もなく、聞こえてくるのは鳥の鳴き声と川のせせらぎのみ。

 気持ちの良い風を浴びながら寝転がっていると、疲れていた体のか急激に眠たくなり、ついつい居眠りを始めてしまったのだった。

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