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第473話 予定が決まったので


 王都にある第2の我が家に戻って来たボク達は広間に集まり、そこで今後の予定について話した結果、明日は一度クラドの町に戻ろうという事となった。


 というのも、クラドにある我が家は魔法で作っているので頑丈に出来てはいるが、入り口のカギなんてものは存在していない上に数日間留守にしていたのでちょっと心配なのだ。

 それにスラム街の人達に次の解体予定の魔物もストックが尽きている頃だと思われるので、そちらの補充もしておきたい。

 

 そう言った理由から一度戻る事が決定したのだが、すぐにまた王都に来るつもりだ。

 流石に結婚が決まったシャルロットを放ったままクラドの町で過ごすわけにはいかないからだ。


 それなら王都に住めばいいのではないか?と思われるかもしれないが、クラドにはマルクの家族ともいえるスラム街の人達がいる。

 仲間であるマルクの為にも彼等を放っておくことは出来ないのだ。


 そして何より、ボクは王都よりもクラドの町での生活の方が気に入っており、あちらを生活の拠点にしたいと思っている。

 なので当然、シャルロットには結婚したらクラドに来てもらうつもりだ。

 多分シャルロットが拒否することは無いだろう。

 

 そんなこんなで明日の予定が決定すると、アミルは明日からはクラドに戻る事を冒険者ギルドへ報告しに行くと出かけてゆき、それに続いてルーリアとクロエは今夜の夕食の材料を買いに出かけて行く。


「それじゃあボクはもう一度お城に行ってくるから、3人は留守番をお願い」


「わかったわ」

「了解」

『…』


 ロゼだけはチラリとこちらを見るだけだったが、断らないという事は了承と受け取っても大丈夫だろう。


 3人からの返事を聞けたところで、ボクは再びお城へと向かう。

 家を出てから約15分、お城に着いたところで入り口に立つ衛兵に身分を証明し、シャルロットに取り次いでもらおうとしたが、衛兵が確認しに行ったところ今は公務中との事で取り次いではもらえず、仕方なく収納の腕輪に入れてあったメモに用事を書き、それを渡しておいてもらうようにお願いした。


 これが一般人であれば確実に門前払いと言ったところだが、既にボク達の存在が城の衛兵達にも知れ渡っていたおかげで、アッサリと手紙を預かってもらえていた。

 あの様子ならば手紙はちゃんとシャルロットの元に届くだろう。


「おや?そこに居るのはユウキさんではないですか」


 ミッション終了で家に帰ろうと思ったその矢先、ボクの名前を呼ぶ声が聞こえて振り向くと、そこには二人の騎士を連れたマリスティアの姿があった。


「こんなところにお一人で、どうかされましたか?」


「いや、明日から少しの間クラドの町に戻る事にしたので、その旨をシャルに伝えようと思いまして。まぁ、流石に会う事は出来ませんでしたので手紙を渡してもらうようにお願いしたところです」


「そうでしたか。ならばその手紙、私が責任をもってシャルロット様にお届けしておきましょう」


 そう言うとマリスティアは衛兵からが手紙を受け取り、ソレを大事そうに腰についたポーチへとしまい込む。

 そんな彼女にボクは今朝方考えていた事について聞いてみることにした。


「あ、そうだマリスティアさん。次に王都に戻ってきた時にルーリアと会う時間を作ってもらう事はできませんか?」


「ええ、かまいませんよ。私もあの子と久しぶりにお話をしたいからこちらからお願いしたいくらいです。ただ、立場上絶対にとは言えませんが」


 そう言って苦笑いを浮かべるマリスティアだったが、それでも可能な限り時間を作れるように頑張ると言ってくれたので、それだけルーリアの事を思ってくれているのだと感じる事ができた。

 前向きな返事をくれた事へのお礼と、手紙の件について今一度お願いし、そろそろ戻る事を伝えその場を後にしたのだった。

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