第044話 油断
ゴルゴブリンのレベルとステータスをちょっと下げました。
後それに伴い、その鑑定結果の跡の部分を少し訂正しました。
あと2話くらいでメインヒロイン、出せると思う!…思う…出したい(出せよ!)
すぐに襲ってくる様子も無く、ただこちらに向かい、不気味な笑みを浮かべているその姿に、ボクは今の内にと鑑定してみた。
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ゴルゴブリン
レベル8
力 21
体力 24
魔力 13
精神 20
素早さ 16
スキル
火属性魔法 LV1
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「レベルは8か」
初めて見るそのゴブリンは、今まで見た奴よりかは少し強いらしい。
ボソリと呟いたボクの声に反応するように、赤いゴブリン、改めゴルゴブリンはその表情から不気味な笑みが消え、次の瞬間、こちらを指さしたかと思うと、叫ぶように奇声を発した。
「グギャギャ!!」
「「グギャァ!」」
ゴルゴブリンの奇声は突撃の合図だったのか、それを聞いた2匹のゴブリンが同時に奇声を上げつつ、それぞれの茂みから飛び出してボクへと突撃して来た。
それに気づいたボクは、慌てて振り返り全力で右側へと向かって飛び込み前転の様に回避する。
正直今のは危なかった。
これも獣人になり、レベルも上がって身体能力が高くなったから出来た回避行動だったのだろう。
今ならアクション映画でスタントマンにもなれそうだ。
「って、今はそんな事考えてる場合じゃないよね」
脱線した思考を振り払い、剣を構え直して目の前の敵に集中する。
視線の先では、ボクに攻撃を避けられた事にご立腹なのか、突撃してきた2匹のゴブリンはグギィ!と短い奇声を上げながら棍棒で地面を叩き始める。
が、その後にゴルゴブリンの「ギィ!」という奇声一発で、2匹のゴブリンは騒ぐのを辞め、じっとこちらの様子を伺い始めた。
「そんな奴の言う事なんて聞かず、1匹ずつ向かって来てくれたら楽なんだけどな…」
そんな事を愚痴りながら、右手に持つ[心具]を剣から弓へと変更する。
というのも、3対1のままじゃ分が悪いので、まずは弱いゴブリンを始末しようと思ったからだ。
確実に倒すのならば杖にしてから魔法を使った方が良いのだろうが、まだ魔法を瞬時に打てる程の実力は無い。
なので、今回は弓を選んだというわけだ。
ボクとゴブリン達の距離は凡そ5m弱。
この距離ならば当てる事は出来るだろう。
但し、致命傷を確実に与えれるとは限らないが…
「けどまぁ、当たりさえすれば十分!」
そう口にしながら矢を番え、まずは一番右に居るゴブリンに向かい矢を放つ。
狙われたゴブリンも当たらまいと横に飛ぶが、避けきる事は出来無かった。
矢はゴブリンの右の太ももに深々と刺さった様だ。
ゴブリンは足を抑えながら苦悶の声を上げ、その場に転がる。
どうやら致命傷は与えられなかったが、動きを止める事は出来たようだ。
其れなら十分だ、と次の矢を番え、もう一匹のゴブリンに狙いを定めた。
左側に居たゴブリンは、足を抑えて転がる仲間を見ている。
今がチャンスとばかりに矢を放つ。
矢はゴブリンの頭部を捉え、2匹目のゴブリンは小さな呻き声をあげた後、そのままバタリと倒れた。
「(これで残るはゴルゴブリンと手負いのゴブリンだけ!)」
そう思い3本目の矢を番えようとした瞬間、後頭部に強い衝撃を受け、ボクは前のめりに倒れ、次の瞬間背中に重さを感じた。
首を捻ってみると、ボクの背中にはゴルゴブリンが乗っており、今まさに棍棒を振りかぶろうとしている。
「(ヤバい!)」
そう思うや否や、ボクは横に転がる事でゴルゴブリンを背中から落とし、一先ずのピンチから脱する事に成功した。
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