第043話 亜種?
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オークを仕留めた後、ゴブリンを求めて再び森の中を歩き続ける事約30分。
漸くゴブリンの臭いを見つけた。
どうやら10m程前方にある茂みの中にゴブリンが居る様だ。
「(あの中に2匹いるな)」
この身体になり、嗅覚が鋭くなったおかげか、茂みの中には臭いの発生元が2つあるのが分かるのだ。
その2匹は茂みの中でじっと動かず、出てくる様子はない。
下手に近づかず、[心具]を使って魔法で倒そうかとも思えたが、この後にまたオークを見つける事があるかもしれないから魔力は温存しておこうと思い、[心具]で戦う事にする。
[心具]を片手にゆっくりと警戒しつつ茂みに近づく。
残り3m程の距離まで近づいた瞬間、中から2匹のゴブリンが棍棒を振り上げながら飛び出してきた。
しかしその行動は予想出来ていたので、ボクはバックステップで攻撃を回避する。
こうなれば後はいつものパターンで倒せばよいと、[心具]を構えた。
すると次の瞬間、襲撃に失敗した2匹のゴブリンはクルリと身を翻し、逃走する。
「え?…どういう事?」
いつもならば無謀と思えるような突撃をしてくるのがパターンなのだが、今回のゴブリンは違う行動に出た事に、ボクは驚き、立ち止まってしまっていた。
おかげで既に逃走した2匹はボクの臭いを嗅ぎ取れる範囲外に行ってしまったようだ。
しかし、逃げたルートに臭いは残っているので追いかける事は可能だ。
「とりあえず、この臭いを辿ればそのうち追いつくだろ」
臭いはゴブリンが潜んでいた茂みの向こう側に真っ直ぐと続いている。
茂みを迂回し、臭いの続く先へと向かって歩き始めた。
その道中、周囲の警戒は怠らず、けれど可能な限り急いで進み、約10分が経過した頃、先程まで同じ方向へと続いていたはずの臭いが左右に別れており、そのどちらもが茂みの中へと続いている。
しかもその茂みの中から漂う臭いの濃さからして、そのどちらの茂みの中にもゴブリンが隠れているはずだ。
因みにその茂みが不自然に動く様子は無い。
「片方を攻撃した瞬間、もう片方が背後から襲い掛かる作戦か?」
これまでに見た限りではあるのだが、ゴブリンにそれ程の知能があるとは思えない。
だが、この現状からそうではないのか?としか思えないのだ。
さてどうしたものか?
そう思いつつ両方の茂みを警戒していると、背後からこれまでに嗅いだことのない程に濃いゴブリン臭が真っ直ぐ此方へと近づいてきている事に気が付いた。
「(もしかしてこの2匹は囮で、後ろの奴が本命って事か?…けどこの臭い…マジで臭いんだけど!)」
鼻を摘まみたい衝動に駆られるが、それぞれの位置を把握する為にも、それをする訳にはいかないと必死に我慢し、前後の警戒を更に強める。
背後の臭いは徐々に近づいてくるのだが、未だその姿を捉える事は出来ない。
そして距離が残り4、5m程まで縮まったところで、ボクは背後へと振り返り、剣を構えた。
降り買った先には何もいないが、それでも尚警戒し続けると、ソレは悠然と木の陰から姿を現した。
「ゴブリン…なのか?」
見た目的にはゴブリンっぽいのだが、明らかに普通のゴブリンとは違う。
なんせそこに居るのは、肌が緑ではなく赤い。
更に口元に見える牙は通常のモノよりも少し長い上に、色は真っ黒である。
そして何より、普通のゴブリンが決して見せる事は無い様な、余裕を感じられる様な不気味な笑みを浮かべていたのだった。
メインヒロインの登場は、このイベントの後辺りを予定しております!




