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第402話 席を外しているようだ


 買い物を終えて家に戻り、その日はクロエが大喜びな豪勢な夕食となった。

 まさか調理前に渡したオークの肉の塊が、そのまま焼かれて出て来るとは思いもしなかった…

 ボク達はそのオークの肉の塊を切り取って食べ分けていたが、クロエに至っては1塊、大体7ポンド(約3㎏)はあるんじゃないかというサイズが目の前に置かれており、それを嬉しそうにかぶりつきながら食べていた。

 あの時のクロエの尻尾の振れ具合が、まさに千切れるんじゃないかと思える程に激しかった。

 夕食後はポッコリお腹を満足気に摩り続けていたのが、印象的だった。


 その夜、いくら誘拐事件が解決したとはいえ、夜遅くに家へと帰らせるのもちょっと危険と思ったボクは、アミルに泊まっていくように提案し、アミルは今夜も我が家に泊まったのだった。

 そして翌朝、アミルはルーリアが用意した軽い朝食を食べ終えるなり身支度を整え、そのままギルドへと出勤したのである。


「それじゃあボクとマルクはスラムの方に行ってくる」


 アミルの出勤を見送った後、ルーリアにそう告げた後、ボクはマルクと共にスラムにある解体作業場へと向かう。

 今日はいつもとは違いランクの高い魔物の解体を渡し、その解体作業の様子を見るという予定だ。


 なんでも、マルク曰く作業員達の解体レベルは十分といえる程であり、そろそろ高ランクの魔物解体にチャレンジさせたいらしいのだ。

 それを聞いてどれくらいのランクの魔物まで出来るかなと悩んだ結果、丁度最近狩ったばかりのファイアドレイクが思い浮かんだので、今回はそれにしてみようと思う。

 

 そんなこんなで解体作業場に到着したボクは、冷凍室にオーク2体とソルジャーマウス2体を取り出し、そして最後に本日のメインとなるファイアドレイクを作業台の上に取り出した。


「それじゃあ皆!今日はこのファイアドレイクの解体をするよ!手順としてはオークとかと同じだけど、ファイアドレイクの場合は血や骨の全てが素材となるから、全ての作業において慎重に、かつ丁寧にしてね!」


「まかしとけ!」

「今日もうまい飯の為に頑張るぜ!」

「緊張してきたぜ!」


 マルクの話に、作業員達が思い思いの言葉を口にしながら作業道具を手に取り始め、血抜き作業からスタートした。

 邪魔にならないよう壁際で作業の様子を伺っていたのだが…なんというか、全員の手つきがもうプロの様にしか見えない。

 こうも早く技術を身につけれるものなのだろうか?

 それとも、ここに居る人達が偶然にも才能ある人たちばかりだったとか?


 理由は分からないが、とりあえず今後の解体作業を任せるには十分な技術を身に着けている様子なので、そろそろ本格的に仕事として任せて行こうかと思う。


 その後も作業は続き、1時間近く経ったところでファイアドレイクの解体は終了したので素材となった全てを収納の腕輪へと取り込み、後はもういつも通りな作業となるので、ボクはマルクに家に戻る事を伝え、その場を後にした。


 家に戻ると、ルーリアが全員分のお弁当を作っていたのでそれ等が出来上がるのを待ち、完成したところで全て収納の腕輪へと取り込み、ボク達は生活費を稼ぐ程度の依頼を受けようと冒険者ギルドへと向かう。


「あれ?アミルさんの姿が見当たらないわね。今日はあのまま仕事に向かったはずなのに」


 冒険者ギルドの建物内に入ったあと、いち早くアミルの不在に気づいたクミがそんな事を口にする。

 ボクも端から順に受付窓口を見ていくが、確かにアミルの姿は何処にもない。


 多分今は別の用事で席を離れているのだろうとボクが言うと、クミも「そのようね」と答え、ボク達は依頼が張り出されている掲示板の元へと向かうのであった。

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