第036話 [心具]の弓を使ってみた
街を出たボクは、今日の狩場を南西方面に広がる森に決め、そこでゴブリンを探し歩いていた。
探している間に何度かフォレストドックと遭遇し、それらを倒しては死体を収納の腕輪へと取り込んでいく。
ふと収納の腕輪の中にはどれだけの死体が溜まったのか気になって確認してみると…
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オーク×2
ゴブリン×1
フォレストドック×18
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とまぁこのように、結構溜まってしまっていた。
そろそろ死体を処理せねば…
特にオーク。
折角アミルさんに解体の手中を書いてもらったのだから、練習せねばと思ってはいる。
だが、今日はもうレベル上げをすると決めたのだ。
「明日こそは解体の練習だな。後フォレストドックの火葬も、か」
フォレストドックの数の多さに、若干嫌になるが、今日と明日の予定は絶対に実行すると決め、ボクは再び森の中を歩き始めた。
「(いた!ゴブリンだ)」
遠くにゴブリンの後ろ姿を見つけた瞬間、近くの木に隠れ、姿勢を低くする。
ボクとゴブリンの距離は、凡そ30mといったところだ。
「(そういえば[心具]の種類の中に弓ってあったよな、試しに使ってみるか)」
手に持っていた[心具]の剣を一度仕舞い、弓が欲しいと願いながら再び[心具]を発動させると、ボクの左手にはシンプルなタイプの弓が、そして右手には矢が10本入った筒が現れた。
これで遠距離攻撃が可能となる。
ただ、問題はボクの腕で当てれるかどうかという事だ。
過去に友達と大学の文化祭に遊びに行ったときにアーチェリー部の出し物で矢を射た事はある。
命中率は悪くなかった。
正直才能があるのでは?と思えた程だ。
まぁ、その時の的までの距離はたった3メートル程しかなかったが。
それに比べて今はボクと標的の距離は30メートル程はある。
…うん、流石にこれは当てれる気がしない!
そんな訳で、少しでも近づこうと、慎重に前へと進み始め、ついにゴブリンの距離は10m程となり、そこで僕は足を止める。
何となくではあるのだが、これ以上近づくと気づかれる気がしたのだ。
「(仕方ない、とりあえずここから狙うか)」
矢を弓の弦に宛がい、矢をゆっくりと引く。
そしてまだこちらに気付いていないゴブリンに向かい、慎重に狙いを定め…矢を放つ!
矢は勢いよく飛び、トスッ!という音をたて、ゴブリンのいた場所の手前にあった木の幹に突き刺さった。
…うん、どうやら文化祭の時に才能があると思ったのは気のせいだったみたいだ。
ゴブリンは矢の刺さった音に反応し、ボクの存在に気付くと、グギャギャ!!と奇声を上げ、手に持った棍棒掲げ、こちらに向かい走り始めた。




