第035話 目的を変更して
風邪で安静にすること2日、すっかり体調も治ったボクはギルドへと向かい歩いていた。
「(どうせならギルドに討伐の依頼があれば良いんだけどな)」
因みに、この討伐の対象とはウルフの事である。
というのも、寝込んでいた2日間、食事とトイレ以外は部屋で過ごしていたボクはある事を思い出して[心具]の剣を取り出して鑑定をしたのだ。
この鑑定によって表示された剣の進化条件という部分に、ゴブリンの魔石と書かれていたのを見つけ、後はウルフの魔石があれば進化出来ると知ったボクは、風邪が治り次第探しに行こうと決めたのである。
そして今朝方、目覚めた時に身体が楽になっていたのと、ステータスから状態異常の風邪が消えている事を確認し、予定にしていたウルフの討伐をする前に、もし討伐クエストがあるのならついでに受けておこうと考え、こうしてギルドへと向かっているという訳だ。
出発してから大体20分程経った頃、ギルドへと到着したボクは依頼の張られているボードの前へと向かい、ウルフ討伐の依頼を探し始める。
しかし、ボードの端から順に見ていくがそれらしい依頼を見つける事は出来なかった。
3日前に見た時よりも依頼書の数は増えているようだが、それでもないという事は需要が無いのか、もしくはこの付近に居ないという事だろうか?
どちらが正解なのかは考えたところで分からないので、ここはアミルさんにでも聞いてみようと思い、いつもの受付窓口へと足を運んだ。
「こんにちは。ちょっと聞きたい事があるんですけど良いですか?」
「あら、こんにちはユウキさん。聞きたい事とは何でしょうか?」
「一番近いウルフの生息場所ってどこですか?」
「それならこの街の北にある平原でしょうか。と言っても、数はそれほど多くはありませんが」
「北の平原、ですか…」
アミルさんの口から出た北の平原というワードに、ボクは以前にギルド内であの双子が話していた事をふと思い出した。
ボクの記憶が正しければ、あの双子は確か北にある平原には日帰りで行く事は出来ないと言っていた。
更にはその平原には、オークが居るとも言っていたはずだ。
とてもじゃないが、今のボクじゃオークに勝てる気はしない。
それにオークが居るような場所に生息するウルフは、もしかしたらオーク並み、もしくはそれ以上に強い可能性もある。
今はまだウルフの討伐よりも先に、街の周辺のフォレストドックやゴブリンを相手にして、自身のレベルを上げる事に力を入れべるべきかもしれない。
「教えてくれてありがとうございました」
情報をくれたアミルさんにお礼をいい、ボクは再び依頼書の張られているボードへと向う。
そして先程ウルフ関係の依頼書を探していた時に見つけていた、ゴブリン5体の討伐と書かれた依頼書を手に取って再びアミルさんの元へと戻ろうとしたのだが、アミルさんのいる窓口には3人組の冒険者達が並んでいるのが見えたので、隣の開いている窓口へと足を運ぶ。
隣の窓口の担当職員は眼鏡をかけた男性がいる。
ボクは手に持っていたゴブリン討伐の依頼書を差し出し、手続きを済ませた後、更なるレベルアップを目指して街の外にある森へと向かった。




