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第003話 女神の暇つぶしだった

投降ペース、今月中はとりあえず1日か2日に1話という感じで行きます!


それと、もし誤字などありましたら教えてください!

気づき次第すぐに直しますので!


 まるで眠りから目覚めるように意識が戻ると、ボクはゆっくりと目を開いた。

 この目を開くという行為が出来ているという事は、つまり今のボクには身体があるという事の証明となる。


 そしてそのおかげで今、周囲の景色を見る事も出来ている。

 なので、ここで少し周囲の状況について確認してみよう。


 まず、ボクの立っている場所は直径100m程の平らな陸地であり、ボクの居る位置から前方、10m程先にはテーブルとイスが1セットあるだけ。

 そしてこの陸地の外側だが、そこには遥か遠くまで雲と空だけが広がっている。

 次に上空へと視線を移してみると、そこに太陽は存在して居ないのに、何故か明るかった。

 

 これらの情報から考えるに、今ボクの立っている場所は、きっと空に浮かんでいる小島なのだろう。


 そしてこの場において最も注目すべきは、ボクから2m程離れたところに立ち、優し気な表情でこちらを見ている女性である。

 この場にはボクと彼女しかいないことからみて、彼女こそが女神ラケシス様で間違いないだろう。


 こうしてようやく見る事が出来た女神様の姿は、瞳と髪は同じ水色であり、髪はサラサラなロングヘアーを右肩から身体の前へと流している。

 身長は、170前後といったところだろう。

 体系は全体的にスラっとしており、胸は…あまり触れないほうがよさそうな気がする。

 下手すると、せっかく取り戻した身体が再び消滅されかねない。


「流石にそこまではしませんが、あまり触れられたくないのは事実ですので、それ以上は考えないようにしてください。

もちろん口に出すのも禁止です」


「は、はい!すみませんでした!」


 そう言えば思考回路は読まれているんだった。

 失敗失敗。


「ところで身体の方は問題なさそうですか?」


「”有る”か”無い”かで言うならば、”有る”ですね」


 実の所、この身体と魂が融合して目覚めた後からずっと気になっている事があった。

 それは、腰の辺りにこれまで無かったはずの感覚が有るという事、そして耳の感覚が顔の横ではなく、頭の天辺にあることだ。


 まだ実際に触って確かめたわけでも無いが、ほぼ間違いなく、ボクの身体にはアレとアレが付いているのだろうと確信している。

 というか、周囲の風景を見ようと振り返った時に、フサッとしたものが見えていたしね。


「あの、ボクの身体を多少いじるとは言っていましたが、どのような箇所をいじったのでしょうか?」


 実際に触ったりしてみれば良いだけの話なのだが、とりあえずここは、この身体を作った本人に聞く事を選んだ。

 そんなボクの質問を聞いた女神様はその場で軽く手を叩くと、ボクの正面に突如として姿見が出現。


 ボクはそこに移った自身の姿に、目が点になった。 


 姿見に映っているのは白髪で蒼い瞳を持つ童顔な少年の姿。

 見た目的に年齢は15といったところだろうか?

 体格は細身で、身長は大体165㎝前後。


 前髪は目に届きそうな程に伸びており、その毛並みは癖っ気は全く無い。

 そして何より注目すべきは、頭の上にある白い獣耳だ。

 耳の形からして、犬ではなく、狼の耳といったところだろう。


「髪の色と瞳の色、そして表情も少し変化させ、最後にお耳と尻尾を付けておきました」


 これがボクなの?という疑問で頭がいっぱいになっているボクに向かい、そう言ってニコリと笑顔を向けた女神様の表情からは、何処か満足した感じが伺える。


「いやいやいや!これもう多少の変化をつけるってレベルじゃない気がしますよ!?って言うか別人でしょ!?種族自体が変わっちゃってますもん!」


 身長と体格、あとは髪の長さ位しか原型が残っていない事実に、ボクは女神様相手に全力でツッコみを入れていた。


「ユウキさんの似合うと思いまして、つい…代わりと言っては何ですが、獣人族になっているおかげで、基礎能力は普通の人族よりも高めにはなっておりますので」


「基礎能力の向上ですか…まぁそれなら、いい、かな?」


 本当にいいのか?と言いつつも、ボクは心の中で既に獣人となる事を受け入れていた。

 

「ところで女神様、ボクがこうして獣人になっているという事は、やはりルヴィアートには様々な種族が居たりするのですか?」


「もちろん居ますよ。獣人族にエルフ族、ドワーフ族に竜族と言った感じで、丁度ユウキさんがココに来る前に読んでいた、あの物語と同じ種類の種族が居ます」


 あのWEB小説と同じ種類の種族が居るのか…って、なんでこの女神様はあの作品の事を知っているんだ?

 

「それはですね、あの物語はお姉さまが管理している世界で、実際にあった事を元にして書いたモノだからです」


「…え?実際にあった事を元にしてたの!?っていうかラケシス様の姉が作者ってどういう事!?」


 ここに来てからというもの、驚かされてばかりだが、この一言が、ダントツ1位の衝撃だった。


 まさかほんの少し前に読んでいたWEB小説がノンフィクションだったとは…

 だが、今にして思えば、数日前に読んだ話にラケシスという名の女神様が登場していたのを覚えている。

 更によーく思い出してみると、その話で書かれていた特徴と、今ボクの前に居る女神様の特徴が全く同じだ。


 …マジカヨ 


「最近はあちらの世界が平和になったからと、お姉さまは暇つぶしにとあの話を書き上げ、それを主人公の故郷である世界で公開しているらしいです」


「暇つぶしだったんだ…」


 もう驚く事に疲れたボクは、呆れるように呟いていた。


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