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第287話 最上級レベルだった


 良い所のご令嬢らしき少女の体力や移動速度の関係で戻るのに時間が掛かる中、移動を続けたボク達は20分少々かけて野営場所へと戻って来た。

 囲いである土壁をみて唖然とする女騎士を他所に、ボクはその一部を崩して二人を中へと招く。

 そして二人が囲いの内側に入ったのを確認し終えたボクは、[心具()]を取り出して崩した個所を作り直した。


「おかえりなさいユウキさん。その人達は?」


 ボク達を迎えたマルクが話しかけて来た。

 その周りには、少し前まで寝ていたはずの皆も座っている。


 きっとマルクが念の為にと起こしたのだろう。


「ここから少し離れた場所でキングボナコンに追われてたから助けて来たんだ。名前は…まだ聞いてない」


 正確にはあまり聞かない方が良い様な気がしているので聞いてないだけなのだが、ボクの言葉にマルクだけではなく、ルーリア達や一緒について来た二人も苦笑いを浮かべている。


「確かに助けてもらった身でありながら、此方は素性を明かしていなかったな。これは誠に失礼な事をした。すまない」


 そう言って頭を下げる女騎士。

 そしてそれに続くようにしてドレス姿の少女も「失礼致しました」と頭を下げる。


 ボク達一同は、明らかに良い所のお嬢様に頭を下げられたことに戸惑う。

 そんなボク達の事はお構いなしに、女騎士は一歩前に進み、ピシリと姿勢を正す。

 肩で切り揃えられていた金髪がサラリと風になびいた。


「私は王宮の近衛隊の一人、ララーナ・コレアンと申します。そしてこちらに居られるのが我が国の第4王女」


「シャルロット・ロワ・アヴィリアというの。よろしくなの」


 相手が王族と知ったボク達は、すぐにその場に片膝をつき頭を下げた。


 良い所のお嬢様だというのは分かっていたが、まさか最上級レベルだったとは…


「私達は貴方のおかげで命拾いしたの。だから頭を下げる必要は無いし、そう畏まらなくてもいいの」


「シャルロット様がこうおっしゃっておる。頭をあげて楽にされよ」


 二人がそういうので、ボク達は恐る恐る頭をあげてルーリア達の顔を一通り見た後、ゆっくりと立ち上がる。

 ルーリア達もボクに続いて立ち上がっていく。


「ところで此方のパーティのリーダーは何方(どなた)なのでしょうか?」


 ボク達が立ちあがり切ったのを見計らい、そう尋ねて来たララーナの言葉に、ボクはそっと手をあげる。


「やはりユウキ殿でしたか。もしや違っていたらと思い確認したのですが、杞憂だったようですね。と、そんな事より、其方達に頼みがあるのですが…」


 状況からその内容を何となく刺しながらも、ボクは「なんでしょう?」と答え、ララーナの言う頼みに耳を傾けるのだった。

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