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第248話 クロエとの一夜


 二人でイチャイチャし始めて数分程が立ったところで、ルーリアはクロエを呼んでくるから待っていてと言うと、部屋を出て行った。

 待つのは良いのだが、やってきたクロエにボクはどういう風に話を切りだせばいいのだろうか?


 唐突過ぎて何も考えれていない。

 やはりここは定番の、ボクと結婚してください、か?

 まさか告白というステップをすっとばしてプロポーズをしなきゃならないなんて思ってもみなかった。


 この状況、一体どうしたらいいのかと頭を悩ませていると、再び部屋にノックの音が響き、ルーリアがクロエの手を引きながら入室する。

 何故かクロエの顔は真っ赤だ。


 赤面するのはプロポーズをする側のボクだと思うのだが…


 入室するなり、ボクの元へと近づいてくる間、クロエはルーリアの体に隠れるようにして顔を覗かせている。

 その様子に、クロエが普段よりも更に可愛く見えるのは、多分ボクがクロエの事を意識しているからかもしれない。


「ほらクロエ様、隠れてないでもっと堂々としないと」


「…だって、恥ずかしいんすもん、って!あわわっ」


 前に出てきそうにないと判断したのか、ルーリアはクロエの手を引っ張り、ボクの前へと立たせる。

 クロエは身体をモジモジさせつつ、どうしたらいいのかと視線を彷徨わせながら胸元で指をクネクネと動かしている。

 とても可愛らしい仕草だ。


 …さて、どうやら今度はボクの(ターン)が来たようだが、なんて言い出せばいいのだろうか? 


 言葉選びに悩み、部屋は沈黙に包まれる。

 いや、正確にはクロエの尻尾が揺れ擦れる音だけが聞こえていた。


「フサフサですごく気持ち良さそ…ハッ!」


 音に反応するようにクロエの尻尾へと視線を向けた瞬間、ボクはつい思ったことを口にしてしまい慌てて口を手で塞ぐのだが、文字通り手遅れである。

 それを聞いていたクロエは驚きながらも顔を更に赤くしている。


「さ、触って確かめて欲しい…っす」


 消え入るような声でそう言うと、クロエはゆっくりと下半身を捻り、尻尾をボクの前へと差し出した。

 本当に触っても良いのだろうか?


 答えを求めるかのようにルーリアの姿を探すが、いつの間にか部屋から居なくなっている。

 いつの間に部屋を出ていったのだろうか?


 ルーリアの隠密ぶりに驚きながらも、ボクは目の前にある尻尾に再び視線を戻す。

 フサフサでモフモフな尻尾の先端が、まるでボクを誘うかのようにクネクネと動いている。


 本人も触って確かめてほしいと言っているのだから、ここはもう触るべきだろう。

 そう思いいたったところで、ボクはそっとその尻尾へと手を伸ばす。

 

「はぅっ!」


 ビクッと身体を跳ねさせながら可愛い声を漏らすクロエに、ボクは慌てて手を離すと、クロエの尻尾が遠ざかってしまった。

 触り方がまずかったのだろうか?それとも実は触っちゃダメだったのだろうか?

 そんな風に思っていると、クロエはハッとなり、そして慌て始めた。


「ご、ごめんなさいっす。思った以上の感覚に驚いただけっすから!嫌とかそんなんじゃないっすから!だからその…もっと、触って欲しいっす」


 最後の方は消え入りそうな声になりながらも、再び尻尾を差し出してくるクロエ。

 ボクはそんなクロエの希望に答えるかのように手を伸ばし、優しく優しくその尻尾を撫で始めた。


 最初は洩れそうな声を我慢していたクロエだったが、それは長くは続かなかった。

 次第に艶めかしい声が漏れ始め、その姿に欲情が抑えれなくなったボクは、クロエをベットへと引き込んでしまう。

 それに全く抵抗することもなくベットに倒れこんだクロエは、潤んでいた目を閉じる。

 完全に身を委ねている様子だ。


 ここは男としてその気持ちに答えねばと、ボクはクロエの体に覆いかぶさるように抱きしめ、顔の傍でそっと囁く。  

 

「クロエの事、大事にするから」


 そう言って優しくキスをすると、それに答えるかのようにクロエはボクの体に抱き着き、舌を絡めてきた。

 こうしてこの夜、クロエは”初めて”を経験したのだった。  


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