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第215話 成果は上々


「へぇ~。前世の記憶をねぇ、そんな事がありえるもんなんすね」


 クミが主体となりクロエに話した結果、ボクは前世の記憶を残したままこの世界に生まれ、その事をしっているのはこの場に居るクロエ以外だけだという設定となった。

 前世の記憶があるという部分と、この場のクロエ以外だけが真実を知っているという事以外は嘘の設定になっているが、まぁクロエが信じてくれているようだから良しとしよう。


「今回はボクとクミがうっかりしてたことが原因でクロエに知られちゃう事になったけど、一応コレ、秘密の事だから人に言わないでね?」


「大丈夫っすよ!私口は堅いんす。伊達にBランク冒険者をやってないっすから!」


 サムズアップしながらボク達に笑顔を向けるクロエ。

 自分で口が堅い方だと言われると妙に不安になるが、クロエに話した内容であれば、もし人に知られたところでそう問題は無いだろう。


「その言葉、信じるとするよ。おっと、ボアがそろそろ姿を見せそうだよ」


 臭いがすぐ傍までやって来ている事に気付き、ボクはそう言いながら[心具()]を構える。

 そしてついにボアの姿が視界に入り、ボクは狩りの始まりだ!と気合を入れるのだが、その瞬間クロエが飛び出した。


「いただきっす!!」


 クロエの強烈な打撃がボアの鼻っ面を捉え、ボアは白目を向きながら大地に倒れた。

 そうして死体となったボアは、クロエが鼻歌交じりにマルクの元へと運ばれていく。


 怪我が治ったばかりだから、そんなに激しい動きをしない方がいいと言っておいたのだが…


 クロエのはしゃぎっぷりに溜息を吐き、ボクは再び周囲の警戒にあたる。

 その後、襲い掛かって来た魔物を倒し続け、陽が傾き始めたところで今日は終了という事となった。


「いや~今日の収穫はかなりのものになりそうっすね!清算が楽しみっす!」


 クラドの街へと戻る中、そう口にしたクロエはルンルン気分でスキップしていた。


「寄って来たのが低レベルの魔物ばかりだったから魔石は小さいけど、かなりの数が集まったから結構な額にはなるだろうな」


「これなら今夜は、美味しい物いっぱい食べられそうっす。楽っのしみ~」


 その後、大満足なクロエの鼻歌を聞きながら街へと戻ったボク達は、冒険者ギルドへと足を運び、受付に居たアミルにゴブリンの討伐報告を済ませた。

 低レベルな依頼な事もあり、こちらの報酬額をボク達とクロエで半々にすると、その額は微たるものになってしまったのだが、これはあくまでもおまけのようなものである。

 本番はこれからだ。


「すみません、後これの買取もお願いしたいんですけど」 


 そういって収納の腕輪の中から今日の狩りで得た魔石の数々を取り出していくと、途中でアミルの表情が笑顔のまま固まったのだった。


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