第020話 [心具]
誤字などありましたらご報告をお願いします。
気づき次第すぐ直しますので!
心具[剣]の切れ味の部分をランク表示に変更しました。
尚、ランクEはノーマル武器の平均であり、それなりに切れ味があるくらい
まずは今までの手順通り、魔力を感じ取る事から始める。
そして次にイメージする。
イメージすべきは、柱の周囲にある土を岩のように固めてしまう事だ。
正直、水を出す魔法ですら予定以下の水量しか出せていなかった事もあり、それほど固く出来る気はしないのだが、せめて踏み固めるよりは丈夫な土台に出来る事を願うばかりである。
イメージが出来たところで魔力を手に集中させると、柱の根本周辺の土がモコモコと動き始め、2秒後にはその部分は平らになっており、その表面はまるで磨かれているかの様になっている。
見た目には成功しているようだが、まだ安心も信用も出来ない。
なんせ水魔法の時の様な前歴があるのだから。
確認する為にもそのツルツルになった地面に軽く足を置いてみると、ピキッという音と共にヒビが入り、少し体重をかけると、まるで冬場に表面が凍った水溜まりの様に割れてしまった。
「…やっぱダメか」
何となく失敗する事が分かっていたとしても、本当に失敗した事が分かると、やはりがっかりする。
「すみません。やはりまだうまく魔法が使えなくて失敗したみたいです」
結果はともあれ、とりあえずミラノさんに報告したところ、魔法の練習頑張って、またチャレンジしてねと励まされてしまった。
とりあえずこの柱の補強を完璧なものにするのを目標にするとしよう。
そんな新たな目標が出来たところで、さっそく魔法の練習を再開する。
そして再び、3度目の水魔法の発動と同時に頭痛に見舞われ、再び休憩を取り始めた。
因みにミラノさんは、ボクが2度目の水魔法を使おうとし始めたところで、頑張ってねと言い残し、建物の中へと戻って行った。
それから暫くの時が経ち、ボクはハッと目を覚ます。
どうやら、また眠ってしまったようだ。
すでに空は夕焼け色に染まっている。
魔法の練習はこれにて終える事にし、今日の締めに[心具]を試しておくとしよう。
魔力を扱えるようになった今なら、きっと[心具]を出す事が出来るはずだ。
「(確か、求める武器の種類を念じながら、この収納の腕輪に魔力を込めればいいんだったよな)」
ラケシス様からの手紙によれば、武器は全部で6種類あるらしいが、やはり個人的にはファンタジーの王道とも言える剣が良いなと思い、剣が欲しいと念じながら収納の腕輪に右手を添え、魔力を流し込んでみた。
すると、収納の腕輪から剣の柄の部分が現れ、ボクはそれを握ると、まるで剣を鞘から抜くかのような動作で、勢いよく引き抜いた。
「え?これが[心具]?」
今、右手にある一本の剣を見た瞬間、ボクはそんな疑問の言葉を漏らしてしまう。
というのも、その見た目があまりにも普通の剣でしかなかったからである。
柄は両手で握るほどの長さがあり、その部分には茶色い皮が巻かれている。
刃は両刃で、その長さはおよそ1m程である。
何となく切れ味はそこそこ良さそうな気がする程度だ。
まぁ、なんと言うか普通のロングソードとしか言えないその見た目に、少しガッカリしたのだが、もしかしたら秘められた性能があるのかもしれないと思い、薄い希望を持ちながらそのロングソードを鑑定してみた。
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[心具]剣LV1
ロングソード
切れ味:E
次の進化に必要な魔石
ゴブリンの魔石:1個
ウルフの魔石:1個
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