第017話 悶える夜~後編~
[心具]の種類を一つ追加しました。
肉、肉、肉、時々サラダといった、ほとんど肉だらけの夕食を食べ終えた僕は、一度部屋に戻り小休憩しつつも[心具]について色々と考えていた。
しかし何も解決に繋がりそうな考えが出てこず、とりあえず一旦考えるのを止め、風呂に入る事にした。
それから30分程。
風呂でのんびりとしてきたボクが部屋に戻ると、ベッドの上には茶色い封筒が置かれていた。
それを見た瞬間に、ボクはすぐにソレがラケシス様からのものだろうと思い、封筒の中身を取り出した。
封筒の中には1通の手紙が入っており、そこには予想通りラケシス様からボクに宛てた内容が掛かれていた。
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ユウキさんへ。
すみません、私ったら[心具]の使い方をお教えしていませんでした。
ですが、そのおかげでユウキさんの努力する姿を見る事が出来ました。
とても愉快な一時でしたよ。
さて、[心具]の使用方法についてですが、まずは魔力を扱えるようにならねばなりません。
とは言っても、以前にも言いましたが、ユウキさんならばすぐに扱えるようになると思うので問題は無いはずです。
そして魔力が扱えるようになりましたら、後はユウキさんの左腕に着けているアイテムボックスでもある腕輪に、どんな種類の武器が欲しいかを考えながら魔力を注ぎ込むだけです。
そうすればユウキさんの手に、望んだ武器が現れるでしょう。
因みに、種類は[剣] [弓] [槌] [斧] [槍] [杖]と6つあります。
それでは、がんばってくださいね。
追伸
また愉快な出来事、お待ちしております。
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「(え、ちょと!?見てたの!?アレ見られてたの!?)」
一人部屋だから誰にも見られることが無いから堂々と色々とやっていたのだが、まさかラケシス様に見られていたとは…
ボクは恥ずかしさのあまり、それから暫くの間布団の中で悶え続け、そのまま眠りに就いた。
翌日、目が覚めたボクはテーブルに置きっぱなしにしていた昨日の手紙をアイテムボックスに仕舞い、部屋を出る。
昨日の悲しい出来事の中で、魔法さえ使えるようになれば、必然的に[心具]も使えるようになると分かったので、今日の午前中は魔法の練習をする予定なのだ。
早くまともな冒険者活動が出来るようになるためにも、頑張らねば!
…だけどまぁ、まずは朝食を食べるとしよう。
グゥーと鳴るお腹を満たすため、ボクは食堂へと向かう。