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第165話 女神様は見ていた


「それじゃあルナ、もしもの時は頼んだよ?」


「お任せ下さいトト様」


 トト様にユウキさん達の事を頼まれた私は、そう言い残して空高く、雲の上へと転移する。


「この高度ならば彼等にも気づかれる事など無いでしょう」


 そう小さく呟いた私は、東へと向かい移動を始める。



 事は、トト様が探知スキルを使用した際、その範囲ギリギリ付近に一際強い反応を捉えた事だった。


 その反応は、ここから真っ直ぐ東へと移動しているらしく、それを知ったトト様は慌てていた。

 と言うのも、その捉えた反応が向かっている先は私達の来た方向であり、そちらにはユウキさん達が居るはず。

 捉えた反応の強さはユウキさん達が相手にするには危険なレベルであり、もし襲われたらマズいと判断したトト様は、私にユウキさん達のお守を頼んだのだ。


 そんな訳で、僅か数秒程で目的の場所へと辿り着き、そっと目を閉じ遥か下方へと意識を向ける。

 こうする事で、私は意識を向けた先の光景を視ることが出来るのだ。


「あら、もう追われてしまっているわね」


 瞼の裏に映るその光景に、森の中を走るユウキさんとルーリアさんの姿があり、その上空には二人を追い回す巨大な鳥の姿があったのだ。


「あれは確かロックファルコンよね?…けれどまぁ、ユウキさん達ならまだ勝てる相手ですわね」


 すぐ助けに入らなくても大丈夫そうだと分かり、私はその後暫くの間二人の様子を見てみる事にした。

 トト様も”もしもの時は”って言ってたしね。

 それに、もし何か危なそうな事があっても、これくらいの距離(上空1km)からなら、助けは十分間に合う自信がある。


 そんな訳で、暫くこの場で地上の様子を観察し続けるが、結局お二人は私の助けなど必要もなく、自力でロックファルコンを倒す事に成功した。


「(思ったよりも危なげなく勝てたようですね。あの様子ならば私は必要なさそうですし、トト様達の元に戻りましょうか)」


 実はあのロックファルコンこそがこの辺り一帯で一番強い存在であり、ソレに勝てた二人ならば大丈夫だと判断し、私はトト様達の元へと戻った。


「おかえり。どうだった?」


「問題ありませんでしたよ。トト様が思っているよりもあのお二人は、特にユウキさんの能力は高く、まだ余裕があるようにも思えました」


「へぇ。それじゃあ放っておいても大丈夫そうだし、こっちも狩りに集中しよっか」


 そう言いながら背伸びをするトト様の背後には、私がこの場を離れる前には無かった大量の獲物が山積みになっている様ですが、まだ狩りを続けるつもりなのでしょうか?


 そんな私の疑問を他所に、トト様はとても楽しそうな笑顔を浮かべ、奥様方を引き連れて更に西へと駆けて行ってしまう。

 私はそんなトト様達の姿に苦笑いし、すぐに後を追った。

 


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