第014話 ティアミス
「大丈夫ですか?何やら危うそうに見えたので手を出しましたが、もし要らぬお節介だったのなら謝りますが」
鈴のなるような声でそう言う少女の耳は、人間のものとは違い、横に長く少し尖った感じである。
まさに、ファンタジー世界の王道とも言える種族、エルフ族の様だ。
というよりも、きっとエルフ族で間違いないと思うが、一応今は(仮)という事にしておく。
まぁ、今は自分自身もファンタジー世界の王道の一つ、獣人族なので、今更ファンタジーだ!なんて言わないが。
そんな事は兎も角とし、そのエルフ族(仮)の少女の瞳は優し気なものであり、マリンブルーというのだろうか?薄めの青い色をしている。
時折吹く風に揺れるサラサラなロングヘアーは、綺麗なクリーム色だ。
見た目からは大体15,6歳程のようにも見えるが、ファンタジー物に出てくるエルフの寿命の事を考えると、それが正しいと決めつけるのはまだ早い。
先程のセリフだけしか情報は無いが、きっとこの子は見た目通りではない、とボクの勘も告げているし。
「あの、手出しは無用でしたでしょうか?」
「い、いえ!おかげで助かりました!ありがとうございます」
エルフ(仮)の少女?の姿に見惚れたまま、なかなか返事をしなかったものだから、再度問いかけられ、ボクはそれに慌てて返事をした。
「そうでしたか、よかったです。あ!私、Cランク冒険者で名はティアミスと申します」
ティアミスと名乗ったエルフの少女が自己紹介してくれたので、ボクも慌てて自己紹介を返す事に。
「ボ、ボクはユウキ、少し前に冒険者になったばかりの駆け出しです」
「冒険者に成り立ての方でしたか。でしたら尚の事、森に来るのなら、せめて武具くらいは用意しておかないと、危険ですよ?」
「そう、ですね。ははは…」
街からはそう離れていないし、昨日は一度も魔物と遭遇する事が無かったという事もあり、薬草の採取位なら武具が無くても大丈夫だろうと軽く考えていたが、こうして実際に魔物と出会い、危険な状態を体験してしまったので、素直に忠告を聞き入れる。
そして同時に、今夜は宿に戻ったら絶対に[心具]を試しておこうと心に決めた。
「ところでユウキさんはどのような依頼を受けてこの森へ?」
ボクの受けている依頼に極秘事項などは全く無いので、普通に薬草の採取で、先程はその為に魔力を帯びた水を作ろうと魔法の練習をしていたと答えた所、ティアミスさんに「そう言うのは依頼を受けるより先にしておいた方が良いですよ?」と笑われてしまった。
全く持ってその通りである。
初の依頼に浮かれてたのかもしれない。
今後はもう少し考えて行動せねば。
そんな当たり前ともいえるようなアドバイスを受けた後、ティアミスさんに魔力を帯びた水を入れる容器を出してと言われ、僕はここでまた一つ失敗に気づいた。
「しまった、買ってくるの忘れてた…」
完全に呆れた様子のティアミスさんは、ボクの目の前で大きなため息を吐いていた。
下書きのストックが切れました!
頑張らねば・・・




