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第013話 出会い


「水魔法、もしくは生活魔法で出した水が魔力を帯びた水という事になるのか、というか、そもそも魔法ってどうやって使えばいいだ?」


 街の門で通行手続きを済ませた僕は、街の東側にある森を20分程歩いた場所で広場を見つけ、そこにあった倒木に腰掛けて[魔力を帯びた水]について、独り言を呟きながら考えていた。


「そういえば、ラケシス様のメッセージに書かれてたよな。確か、魔力を感じ、イメージを作り、そこに魔力を込めるだっけ?そして、魔力の感じ方やイメージの作り方は、ボクがこれまで読んできたWEB小説に答えがある、みたいな事が書いてたな」


 ラケシス様からのメッセージを思い出していたボクは、これまでに読んできた異世界モノに書かれていた魔力感知について思い出し始め、二通りのやり方を思い出した。

  

 まず1つ目は、魔法を扱える人に魔力を流してもらい、その存在を知るという方法だ。

 しかし、この場にはボク一人しかいないので今は試せないので、この方法は現状では試せない。

 なのでもう一つの方法がダメだった時にでも試す事にする。


 そして2つ目の方法は、まず心を落ち着け、静かに呼吸を整えながら自分の中にある違和感を見つけるというものだ。

 だがこの方法には、一つ疑問がある。

 それは、この方法で、違和感にすぐ気づけるかどうか、という事だ。


 とりあえず物は試しと、さっそくやってみる事に。

 その場で座禅を組み、目を瞑って静かに自分の中の違和感を探し始めると…


「(あれ?なんか身体中をめぐる暖かいものが…まさかこれが魔力?)」 

 

 アッサリと魔力を感じる事が出来てしまった。

 確かにラケシス様のメッセージには、ボクならすぐに、と書いていたのだが、まさかこれほど簡単に感じられるようになるとは思ってもみなかった。


 これはこれでチートなのかもしれない!


 この時のボクはそう思っていたのだが、後にルヴィアートという世界に生きる人々で、それなりの才能があれば誰でもすぐに感じられるようになるという事をしる事となる。


 兎にも角にも、魔力を感じる事が出来たので次のステップに進むとしよう。

 確か次は、どんな魔法なのかというイメージをする事だったはずだ。


 とりあえず最初は無難にライターの火と、無難なところからイメージしてみるとしよう。


 再び静かに目を閉じてイメージする。

 因みにイメージした内容は、今のボクの右手にはライターがあり、フリント・ホイールを親指で回転さて火が付く、という感じだ。 


 これまでにタバコを吸った経験がある訳でもなく、日常で利用する事等なかったのだけど、流石にライターの使い方位は知っているので、火が付くまでの流れは簡単にイメージは出来る。

 ってな訳で、イメージする事に関してはクリア出来たと言っても良いだろう。


 さて、それじゃあ次のステップ…と思った矢先、背後からガサガサと草の葉が不自然に揺れる音が聞こえ、驚きながらも僕は咄嗟に振り向き身構えた。 

 視線の先には、ドーベルマン程のサイズで、毛が灰色をした獰猛な犬と思えるような生物が草むらから顔を出していた。


「犬?って、違うよな、なんかアイツから魔力っぽいモノを感じるし。って事はアレが魔物って事か?」


 こういった生物とは、初めての遭遇なので分からないが、とりあえず視線の先に居る、敵意むき出しな灰色の犬を魔物と認定しておく。


 今のボクの手元に武器は無い。

 今回は薬草採取のみであり、昨日は全然魔物と会わなかった事もあり武器を用意しては居なかったのだ。

 そもそも、もし魔物と出会っても逃げる予定だったのだ。


 普通に考えれば、森に入る時点で何らかの武具は用意すべきだろうし、街の門の所で衛兵さんにも言われていた事でもあった。

 しかし、そんな忠告まで受けておきながらも、大丈夫だろう、と何の根拠もない安易な考えなままで森に来た、ボクのミスである。


 一応[心具]というユニークスキルはあるのだが、それはまだ試していない。

 これも昨日の内に試しておくべきだった。

 もっと考えて行動しろよ!と、今更ながらに考えながらも、目先で涎を垂らしながら此方に向かって唸っている灰色の犬と睨み合いを続ける。


 目の前の魔物がどれほどの強さなのか分からないが、兎も角、油断する訳にはいかない。

 この場から如何逃げるべきかと考えを巡らせながら、灰色の犬とにらみ合いを続けながらもジリジリと足を後退させていたその時、ヒュン!と風を切る音が聞こえたかと思うと同時に、灰色の犬の眉間には一本の矢が深々と突き刺さっており、その体はパタリと倒れた。


 そんな突然の出来事に驚かされたが、とりあえずは助かった事を理解したボクは、ホッっと安堵の溜息を吐いた。

 そしてすぐさま辺りを見回すと、左手後方に一人の少女が弓を右手に持ち、左手を腰に当てて立っていた。  


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