せっかくだから俺はこの
「ラードングさん、一つ質問いいか?」
「フォルでいいぜ、なんだ質問って?」
瀬居は一つ確かめるように深呼吸した。
「フォルが言っているのが本当なら何故俺は今呼吸できるんだ?スキルがないと呼吸もできないんだろう?」
「ウチの召喚魔法でお前のところの空気を肺に直接召喚し続けてんだよ、お前の世界にあったものならスキルが無くても扱えるからな、まぁ排泄とかはできねぇけど無いよりマシだろ」
「チートだ」
「非生物だから召喚の初歩だよ、お前みたいな知的生命体の召喚は召喚スキルMAXになんないと簡単に召喚できねぇんだ、本当にスキルがない所からきたみてぇだな?このまま質問責めになってもらちがあかねぇから後はこの本でも読んでな。」
フォルが本、と言ったものは形こそ皮の装丁のしっかりしたものだったが、なぜか半透明でぷかぷか浮かんでいた。
フォルがおもむろに投げるそぶりをすると、本らしきものは瀬居にゆっくり近づき、額にあたるとあっという間に瀬居の中に吸い込まれた
「うわすご、頭に色々な知識が入ってくる。」
瀬居の脳内には入って行った本の知識が恐ろしいスピードで展開していた。
・スキルとは能力である
・スキルとは一人につき幾つでも持つことができる
・スキルとは一度設定すると元に戻すことは出来ないが、どのようなものにでもなり得る万能さがある
・しかし、スキルポイントが低いとやれることが限られる
・スキルポイントは労働で発生し、取引に使われる
・一つのスキルの能力は最高で千ポイントである
・召喚された者は千ポイントが自動的に発生し、自由に割り振ることができる
「まて?」
・スキルとは一度設定すると元に戻すことは出来ないが、どのようなものにでもなり得る万能さがある
・一つのスキルの能力は最高で千ポイントである
・召喚された者は千ポイントが自動的に発生し、自由に割り振ることができる
「つまりこれって、なぁ、フォル」
「どうした?」
「この本に書いてあることに嘘はないよな?」
「嘘書いてある本渡すわけねーだろ?」
「よし」
瀬居は勢いよく叫んだ、それは今まで瀬居が生きていた中で一番の声量とキメ顔だった。
「俺はッ!千のスキルポイントをッ!スキル『TSF使い』に・・・
.........
千ポイントつぎ込む!!!」
「ふぁっ!?」
この時の二人はまだ知らないが、この時瀬居の発した一言から物語は始まるのであった。