取り戻す、その2※キン視点、皮モノ女体化
女体化、皮モノ注意
おれはこの使い方を何とか思い出していた。
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「いいか、この短剣を人に突き刺すと、刺された人はでろんでろんのゴム質の皮になる。そんでもってその皮は刺された傷口にこう、風船みたいに息を吹きかけると元に戻る。」
テンガンは手で輪っかを作り、息を吹きかける。何だよ倒せねぇのかよ、つかえねー
「不貞腐れるな、これの凄さはこの続きにある。突き刺した傷口をなるべく手でおおきく広げて、服のように着込むと、その人に変身することができるんだ、しかも記憶、癖も分かるスペシャル仕様!元に戻る時は入った時と同じように傷口を広げて出る、どうだ?俺の設定通りなら素晴らしい皮モノだと思わないか?」
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はっとおれは正気に戻った、あの時の様子を思い出すとスーを連れてかれたの時とは別の冷や汗がでてくる、おれはついつい声に出してしまった。
「きめぇ」
鼻息荒く語るテンガンの目はギラギラとひたすら気持ち悪かった。こいつ、あっちの世界で前科があるんじゃねーの?
まだ地面に転がっているシワシワの皮の方がまだましだ、おれはそれを拾い上げ、刺した部分を探し始める。こいつはあの変な喋り方をしていた女中だったものだ。刺す前は、あんなに綺麗に見えていたのにこうして皮になると何とも言えない気持ち悪さになるのは不思議だと思った。
「あった、傷口。」
因みにあの短剣はお腹に刺した瞬間弾けて消えてしまった。形だけ見ると普通の両刃だったのに、傷口は綺麗な丸で見つけるのに時間がかかった。もっとわかりやすくしろよな!
傷口は俺の指が二本入る大きさで、突っ込んで引っ張ると生暖かいピンク色の皮の内側が見えた。
「こんなんで本当にこいつになれるのか?ぶかぶかになりそうだけど」
試しに右腕を突っ込んで見ると、やはりダボダボになった。こんなんじゃ着れても本当のババアじゃねぇか、しかも入れた瞬間手が痒い、かさぶたみたいに痒くてピリピリする。あまりにピリピリするから皮を付けている感覚がなくなってきた。
「う、うわぁぁぁ!」
なんだこれ!なんだこれ!感覚がなくなるほどおれの腕が皮に合わせて大きくなる。終いにはぴったりと合わさってしまった。
おれは怖くなってつい皮を脱いだ。
「戻ってる」
そこにあるのは何時ものおれの腕だった。もう一度右腕だけ着るとまた痒みとともにぴったりと合わさる。おれはごくりと唾を飲み込むと、次々と皮を着込んで行った。




