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Eternity
流血表現、残酷な表現があります。
苦手な方は閲覧しないことをおすすめします。
背中に鋭い痛みを感じた。
その衝撃で前に倒れる。
動けない。
そのまま私にかかった声。
「これでいいの。ワタシが私になるから」
そして、刺さったものが勢いよく引き抜かれた。
痛い。痛くて声すら出てこない。
赤いものが目の前に広がる。
「とどめ、さすね」
彼女の声。ひどく甘い、優しい。
「キミはワタシを愛してはいない。
ワタシも同じ。
キミはワタシが嫌い。
でもワタシは嫌いじゃない。……憎いの!!」
肩をつかまれて、正面を向かされ、上に乗られる。
刺された部分がズキズキと痛む。
「だから殺していいよね。ワタシが嫌う、キミ。
キミがどうなろうとワタシの知ったことじゃ無い」
「だけど、そうなれば言いようの無い喪失感を持つのはそっちだよ」
「だから私は決めた。君の言ったとおり……君を使うようなことはしない。
おねがい、私といるだけでいいから。殺さないで」
その瞬間。
ワタシが私の前から消えてなくなった。
「ワタシの存在は必要なんだね。だから、もう抜け出さないよ」
私は彼女で、彼女は私。2人で1人。
答えは、でた。




