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本当の姿を見せる魔法19

お立ち寄り頂きありがとうございます。

こちらは「婚約破棄?その言葉ずっと待ってました!〜婚約破棄された令嬢と氷の公爵様〜」の続編的な位置付けです。もちろんそのままでもお楽しみ頂けます。

設定や人物像については、前作をご覧頂けるとより楽しめるかと思います。

「ユリウス、大丈夫か?」


俺はレイの部屋で倒れているところを、ロバートに発見された。


ロバートはなかなか部屋から出てこない俺を心配していたが、魔法が発動された気配があり、急いで部屋の中を確かめたそうだ。



俺はレイに魔法で眠らされたようだ。



そして彼女の姿は、王宮のどこにもなかった。



✳︎



レイが王宮からいなくなった事をライオール殿下に伝えると、殿下は「やはりそうか」と小さく呟いた。


しばらく考え込んだ後、ため息を吐いて俺に言う。



「ユリウスはとんでもない令嬢に惚れてしまったなぁ。

セレス嬢は見どころがあると思っていたが、私の予想以上だよ」



レイは王宮側に希望する対応として、ライオール殿下に次の事柄を認めさせたそうだ。



・記憶が戻らないため、王宮の職を辞し、王宮を去ること


・自分にかけられた魔法を解除できないため、クローディア公爵子息から婚約を破棄すること


・婚約解消に伴い両家が不利にならないように取り計らうこと


・今回のセレス伯爵令嬢の一連の行動は、セレス家やオリバー上級騎士とは関係ないこと





「セレス嬢、なぜ婚約を解消する必要があるのだ?」



「私がクローディア公爵子息に相応しくないからです」



「私はそうは思わないが」



「ライオール殿下、どうか彼の将来を思うならクローディア公爵家から婚約を破棄する様に命じて頂けませんか?

殿下の言葉なら、彼も素直に聞くと思います」



「幼なじみだからわかる。

ユリウスは承知しないぞ」



「今の私と成婚しても、クローディア公爵家の力が落ちるだけです。王太子殿下の即位のためにも、それは避けるべきかと。

なにより、私は彼に幸せになってほしいのです。

記憶を失う前の私も同じ事を願っていたと思います」



✳︎



「セレス嬢は本当にユリウスの幸せを願っていたよ。

そのために婚約を解消したいそうだ」



「……」



俺は拳を握りしめた。

それが彼女の願いでも、叶えることはできない。



「王宮として、セレス嬢の行動は全て不問に処す。タタ王女の帰国と彼女が王宮から去ることで、一連の騒動も落ち着くだろう。

彼女にそう仕向けられてしまったな」



ライオール殿下はやれやれという顔だった。



「王宮内で魔法を使用した件についても同様だ。

彼女には今日まで魔法の使用が許可されていたからな」




これは「王族付き魔法士から学ぶため、セレス伯爵令嬢には3日間王宮での魔法の使用を許可する」という王太子殿下の正式な許可が出ていたからだ。


レイはこれも分かっていて魔法を使った様だ。




「記憶退行しているとはいえ、9歳であの知能とは恐れ入ったよ。学園では目立たない様に隠していたんだね。

私に直接交渉する度胸といい、有能な官吏に辞められて惜しい事をした。


しかも先程は、王宮魔術師から彼女を魔法士として遇するのはどうかとも奏上されたぞ。

彼女は複数の魔法を同時に使った上、外からわからないように細工までしたらしい」



「……」



「ユリウス、お前は見抜いていたな?

まったく……彼女は何者なのだ?」



「私の婚約者ですよ。

私は彼女と婚約解消するつもりはありません」



「そうだな。

あの才媛を野に放つのは惜しい。

そんなことをすれば貴族間で取り合いになるのは必至。

王宮としても見過ごせぬ。


ユリウス頼んだぞ。

しばらく休暇扱いにしておくから、絶対に捕まえてこい」



「ありがとうございます、ライオール殿下」

ここまでお付き合い頂いた皆様、いつもありがとうございます。本当の姿を見せる魔法もあと6話になります。


彼らのこれからを見守って頂けると嬉しいです。

評価頂いた方々、ブックマーク頂いた方々、リアクション頂いた方々、毎回励みになります。

ありがとうございます^_^

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