プロローグ4(レイ視点)
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こちらは「婚約破棄?その言葉ずっと待ってました!〜婚約破棄された令嬢と氷の公爵様〜」の続編的な位置付けです。もちろんそのままでもお楽しみ頂けます。
設定や人物像については、前作をご覧頂けるとより楽しめるかと思います。
ユリウス様にはなんとか「今日から一緒に住む」のを思い留まってもらったが、それからのユリウス様は行動が早かった。
宰相であり、父親であるクローディア公爵閣下の所へ行き、婚約公表時期と私の処遇を決めてきた。
結果、私はクローディア公爵閣下直属の部下として配置換えされた。事実上他部署から引き抜きができないようにしたのである。
その上で従来通り一ノ宮で業務に当たれるようにしてくれた。プロジェクトの参加も今まで通りだ。
さらにクローディア公爵夫妻とセレス伯爵夫妻を説得し、ユリウス様と私が、王宮近くの公爵家別宅から通勤する段取りを整えた。
私は実家から自立するために、まもなく改修が終わる下級官吏宿舎に入るつもりだった。それを知ったユリウス様が反対し、公爵家の別宅から通える様にしてくれたのである。
つまり成婚前に、ユリウス様と一緒に住むことになるということ。
私は急展開についていけない。
しかし別宅に移る日や段取り等があれよあれよと決まっていった。
公爵家別宅はユリウス様が公爵邸に帰れない時に使用しており、王都のセレス家と同じくらい広かった。
こちらには住み込みの家令、侍女、料理人が1人ずつ居る。
私が緊張しながら伺うと、アットホームな感じで迎えて頂けた。
どの方もユリウス様に幼い時から仕えているベテランで、私にも良くして下さる。
ユリウス様は私に新たな侍女を付けると言ったが、基本的に自分のことは自分でできるので何とか固辞した。
ドレスを着用するならともかく、王宮に官吏として出仕するだけなら身支度等は自分でできるからだ。
公爵様の別宅に一緒に住む様になり、ユリウス様の怒りは落ち着いた様に見えた。
ユリウス様とは朝の食事を一緒にとり一緒に王宮へ行く。
ユリウス様の仕事が忙しくない限りは帰りも執務室に迎えに来てくれて、一緒に帰宅して夕食を共にする。
けれど2人きりになると、前より遠慮なく触れてくるようになった。
私は正直、心臓が持たない。
どうしたらよいのかと思案していたところ、ユリウス様が王宮から帰れなくなった。
各国の特使が王宮を訪れる、特別な社交シーズンに入るからだ。
プロローグが長くなってすみません。次から本編に入ります。
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