表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類誕生時代に来たので、人類の支配者になる  作者: 浅霧 瀬智
第一章 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/35

19.ハンティとダンス

―― 空中都市 ダンスホール ――


夜の帳が静かに降りる豪華なダンスホール。ミラーボールの光が、星々のようにきらめき、空気は甘く芳醇な香りで満ちて、二人を祝福しているかのようだった。


「……本当に、ここで踊るのですか、主様?」


ハンティは、少し顔を赤らめ、肩を少し震わせながらツバイを見上げた。紫色の 長髪を後ろに束ね、美しい白いドレスに身を包んだハンティ。肩章の意匠は外されているが、その佇まいからは隠しきれない軍人気質が滲み出ている。


普段は戦場で冷徹かつ的確に指揮を執るハンティも、煌びやかな空間と、ツバイの目の前では、ただの乙女のように見えた。

ツバイは、優雅に微笑みながらハンティの手を取り、静かに導いた。彼の手のひらの温かさは、ハンティの緊張を少しずつ溶かしていく。


「もちろんだ、ハンティ。君と踊るためだけに、この夜を選んだんだ」

その言葉に、ハンティの耳が赤く染まる。普段は冷静沈着なであるが、ここでは言葉に詰まり、微かに震える唇をかみしめていた。


ツバイは優雅にハンティを抱き寄せ、二人の身体が自然に重なる。マリアの心臓は、戦場での激闘を超える速さで高鳴っていた。自分だけの微妙な感情——恋心や期待、そして少しの恥じらい——が、彼女を包み込む。


「主様……私、こんなに……恥ずかしい思いを……」


彼女の言葉を遮るように、ツバイは静かに微笑む。


「恥ずかしがる必要はない。君は君のままで十分美しい」


その一言で、ハンティは無意識に目を伏せ、頬を真っ赤に染める。まるで戦場での指揮を忘れ、少女に戻ったかのようだ。ツバイは軽く彼女の手を握り直すと、優雅に一歩を踏み出した。


挿絵(By みてみん)


「社交ダンスなど、久しぶりです。軍務ばかりでしたから」

「ハンティをここまで働かせたのは、俺の責任だな」


「いいえ。私はあなたの剣であり盾です。誇りに思っています」


その言葉に、ツバイは思わず苦笑する。

彼女は常にそうだ。自分のことより、ツバイの安寧を優先する。


「今夜だけは、司令官ではなく、一人の妻として踊ってくれ」


音楽に合わせ、ツバイはハンティを導く。ステップはゆるやかで、星の光が二人の影を床に映し出す。

ハンティは最初こそ少し硬かったが、次第に身を委ね、流れるように回転した。


「……私、主様と……ずっとこうしていたい……」

その囁きに、ツバイは穏やかに笑った。


「もちろんだ。君と踊るこの瞬間を、俺は永遠に忘れない」

「私もです。主様の配下として、妻として。……そして、あなたを愛する女として」


ツバイはそっとハンティを抱き寄せ、唇にキスをする。

星々が祝福の光を降らせ、神舞の夜は、静かに更けていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ