17.セリアと食事
ー 宇宙要塞ハコシロ レストラン ー
地球を映す全面ガラス張りの高級レストラン。設けられた特別個室は、世界の王侯貴族ですら足を踏み入れられない場所だった。だが今夜、その席にいるのは王でも皇帝でもない。
「……ここを利用するのは初めてだな」
ツバイは、グラスの中で揺れる琥珀色の液体を眺めながら、困ったように微笑んだ。
「ふふ、緊張してますか?」
向かいの席で、くすりと笑うセリア。
銀糸のような髪を後ろでまとめ、深紅のドレスに包まれた肢体は、神性と艶やかさを同時に宿している。胸元は控えめに、だが確実に視線を誘う形で開いており、彼女はそれを理解した上で、わざと身を乗り出した。
「緊張ではなく、集中しているだけだ。今は君と向き合うために、他のことを忘れたい」
セリアは少しだけ身を乗り出し、甘く囁く。
「ふふ、私だけのために? それなら、もっと特別な時間にしてくれますよね?」
その言葉に、ツバイはゆっくりと頷く。
「もちろんだ。君だけの時間にする。」
料理が運ばれるたび、二人の間には微妙な間が生まれる。香り、味、そして会話。それらはすべて、互いの存在を意識させるための儀式のようだった。ヒロインは時折、ワインを口に含み、主人公をじっと見つめる。その視線には、従順さだけでなく、情熱が宿っていた。
「こうして向き合うと、世界を統べる支配者でも、ただの男に見えますね。」
ツバイはその言葉に軽く笑みを返す。
「君の前では、力も支配も意味を持たない。今はただ、君だけを見ている」
セリアは甘く息を漏らし、テーブルの下でそっとツバイの足に自分の足を伸ばした。その感触は柔らかく、しかし挑発的で、ツバイの心を揺さぶる。
「今は食事中だ。焦る必要はない。時間はある」
主人公は微かに息を吐き、落ち着いた声で応える。
セリアは軽く微笑み、身体を少し前に傾ける。
「そう……でも、あなたと一緒にいると、時間が止まったみたいに思えるわ」
ツバイは優しく彼女の手を握り、見つめる。
「君が望むなら、どこへでも行こう」
食事が終わり、セリアは甘く微笑み、ゆっくりと特別室へと手を伸ばすようにツバイを誘う。その仕草は妖艶で、しかし愛に満ちていた。ツバイは彼女の手を取り、静かに応じる。
二人の間に流れる時間は、静かでありながらも濃密で、官能的であった。会話の一つひとつ、仕草の一つひとつが互いの想いを確かめるようで、言葉ではなく存在そのものが愛の証であった。
二人は互いの存在を感じながら、静かに濃密な愛を交わす準備を整えた。神と女神、支配者と従者、夫と妻――そのすべての境界が溶け合い、二人だけの世界がそこにあった。




