11.天使
ー 空中都市 中央城の内部 ー
ツバイは人類最初の王と接触した後、空中都市と一緒に瞬間移動の魔術を発動させて移動した。
「ご苦労だったリフコ。今後は国が出来次第、さっきと同じように接触していくぞ。」
「よろしいでのしょか?国ができるたびにマナを与えて。人類にマナを与えたのであとは勝手に増えるのでは?」
ツバイは理想な支配体制がある。国王が一番多いマナを所有して、後に出てくる貴族が2番目に多いマナ、戦う兵士や傭兵が少ないマナを所有しているおり、平民はマナを持っていない状態が理想だと考えている。ツバイは自分の理想を伝えながら、自分の考えを伝える。
「理想通りになるように様子見ながら、マナを与えていこう。マナを与えない国が出来るかもしれないが、別の恩恵を与えばいい。」
「かしこまりました。ツバイ様。」
ー メソポタミア文明 玉座の間 ー
~ 王視点 ~
神との接触があってから3日がたち、国の混乱は収まりつつある。王は今後、国の運営をどうするかの会議を行っていた。特に宗教が頭を悩まされている。
教皇はツバイとあった以来から、狂信的にツバイを信仰している。しかし、元々信仰していた宗教があった。宗教トップの教皇が別の宗教を信仰しているから宗教対立が起きた。
その瞬間に空気が、変質した。言葉では説明できない圧迫感が、会議場を満たし陽気な声が響く。
「お待たせしましたぁー。主であるツバイ様の忠実なる僕になる天使でーす。」
玉座の間にある大きなバルコニーから声が聞こえた。教皇が素早くバルコニーに走り出す。国王や側近もそれに続く。そこには、背中に羽が生えた美少女がいた。髪は長く、美しい白髪。身長は150cm程で、スレンダーな美少女で雪のように白い肌に、白を基調としたローブをまとっている。
天使は部屋に入り、普通は一人では持てない大きな木箱を空間から取り出しながら、来客した要件を伝える。
「宝珠を渡しに来ましたぁー。」
「魔術は10段階に仕分けており、10に近いほど強力な魔術になりますぅー。今回は6段階の魔術までが使える宝珠を持ってきましたぁー。」
王の近くで聞いていた将軍は不満げな表情をしていた。国は部族と争いをしており、部族に勝利するために力を求めていた。王は将軍の不満を感じ取り、王が前に出る必要があると思い質問する。
「ありがとうどざいます。しかし、なぜ6段階魔術までなのでしょうか?」
「7段階魔術以上は過剰な力になりますぅー。7段階魔術以上が使える宝珠は使うべき時に、使うべき人物に直接、天使が渡しますぅー。ここには低能で下劣な人間しかいませんからぁー。」
玉座の間は、あまりにも静かだった。天使だけニコニコと笑顔だった。火鉢の中で炭が崩れる微かな音すら、やけに大きく耳に届く。その沈黙は、臣下たちの息遣いさえ飲み込み、王の胸の内だけを容赦なく浮かび上がらせていた。
――侮辱された。
その事実が、刃のように王の心へ突き刺さる。
玉座に座るこの身は、数万の民の命を背負う象徴であり、法であり、秩序そのものだ。誰もが頭を垂れ、言葉を選び、視線すら慎重に扱ってきた存在。その王を、天使は一瞥の価値もないものを見るような目で見ていた。将軍が腰つけていた武器を掴むまえに王が将軍の手を掴み止める。
天使は何事もなかったかのように話を続ける。
「次に信仰についてですぅー。この国にはスラムや貧困があるのでその人達で教会を建設します。できた後は宗教関連の仕事をしてもらいますぅー。」
「お待ちください。国はそういった人達になにも出来ないから、放置されているのです。物資や衣食住を用意することが出来ませんし、彼らに建築技術はありません。それに今は宗教対立が起きています。」
王は天使の指示に異を唱えることに恐怖を感じながら、王の責務を務めるために発言する。
「問題ありませぇーん。必要な物はすべて私が用意しますし、建築は私が監督になり指示しますぅー。宗教対立は私が直接動いて解決しますぅー。」
天使は常に笑顔で話している。王は生まれて初めて笑顔が怖いと感じていた。




