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【俺様フェンリル】の飼い主になりました。異世界の命運は私は次第!?~悪を成敗!頭を垂れて我につくばえ~  作者: 酒本アズサ


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105.ダンジョン復活

 新顔の冒険者を撃退して更に一週間、いつものように冒険者ギルドで依頼掲示板(クエストボード)を見ていたら、突然空気が変わった。

 魔素の濃度が一気に変化したのだ。



「ダンジョンが復活した……!」



『うむ、それしかあるまい』



「ちょっと待て、今何て言った!? ダンジョンが復活しただって!?」



 冒険者の一人が無駄に大きい声で騒ぎ出した。



「本当か!? 前からその噂で人が増えてるのは知ってたけどよ、本当に復活したなら大変な事じゃねぇか!?」



「そりゃそうだろ! 素材扱うために商人は増えるし、当然職人も増える。なにより冒険者が一気に押し寄せてもおかしくないぜ?」



「ちょっと俺、宿屋の長期契約してくる!」



「迷ってたけど、もういっそ家を買っちまうか!」



 そんな感じで右往左往しはじめる冒険者達、とっくに家を決めていた私達は勝ち組である。



「それにしても、誰もサキの言う事を疑ったりしないんだな」



 シリルが感心しながら呟く。



「そりゃあアーサーがフェンリルで、サキが聖女だって結構広まってるからじゃない?」



 そうなのだ、ダンジョン復活の前兆で狂暴化した魔物から、地元の冒険者を数回助けたら、すっかり噂が広まってしまったのだ。

 まぁ、とどめはアーサーが魔法を使ってるいるところを見せたせいなんだけど。



「サキ! ダンジョンが復活したっていうのは本当かっ!?」



 住居を確保するために半数近い冒険者が姿を消した頃、二階のギルド長室からジョセフがドタバタと現れた。

 きっと職員の誰かが知らせに行ったのだろう。



「あー、うん。空気がいきなり変わったし、アーサーもそうだって。それなりの魔法使いなら気付いているんじゃないかな?」



 辺りを見回すと、まだギルドに残っていたAランク冒険者の一人が頷いている。

 彼はすでにパーティで家持ちなので、仲間が依頼を選ぶのを待っているようだ。



「よし、すまねぇが緊急依頼(クエスト)としてダンジョンを調べてきてくれ。お前らなら問題ねぇだろ。なにせ聖女様とフェンリル様ご一行だ! なぁ!? わはははは」



 私とアーサーの存在が知られている最大の要因はジョセフのせいかもしれない。

 いつかバレるだろうし、隠してるわけじゃないからいいんだけどさ。



『ククク、ダンジョンか。過去にダンジョンに行った事のあるフェンリルはおらぬのだ、そんな自由もなかったようだからな。我が本気を出すに値する魔物がおるとよいのだが』



 どうやらアーサーはやる気満々のようだ。

 こうなったらマティスに断るという選択肢はない。



「わかった。その依頼受けよう」



 こうして私達は森の中にあるダンジョンへと向かった。

 いつもの森を歩いているのに、やはり空気が違う。



「これは魔素が薄くなってるよね?」



『うむ、周囲の魔素はダンジョンが吸い込んで、強力な魔物を創り出そうとしているのだ。その反動で今後はダンジョンの外の森は魔物が弱体化するだろうがな』



「それだと初心者にはいいかもしれないね。みんな言ってたけど、やっぱり冒険者がいっぱい増えるのかなぁ」



「増えるのは間違いないだろう。噂の時点でも結構冒険者パーティは増えていたから、今後は町の治安も荒れるかもしれないな。サキは気を付けるんだぞ」



 楽しそうなリアムと違い、マティスは心配事の方が多そうだ。



『ダンジョンが見えてきたぞ! なかなか楽しみな気配がしておる。双子とシリルは我らが調査した後入った方がよいかもしれぬな』



「え!? そんなに強い魔物がいるの!?」



 まさかのアーサーの言葉に双子とシリルのケモ耳が伏せられてしまい、慌てて聞いた。



『浅層の魔物だけであれば問題なかろう、だがダンジョンは罠が存在する。マティスは自分で対処できるし、主の事はいざとなれば我が守る……しかし万が一の時は見捨てるぞ。それは主が悲しむゆえ置いていくというのだ』



「アーサーの言う事はもっともだな。私ですらどうなるかわからないようだから、お前達は周辺の魔物の弱体化具合を調べてくれ。これも依頼の一環だからそう落ち込むな」



 マティスが三人の頭をグリグリと順番に撫でた。

 少しふてくされていたが、どうやらそれで少し落ち着いたらしい。



『シリルよ、そなたは経験こそ少ないが、周りを見る目を持っておる。双子が無茶をせぬよう見張るのだぞ』



「わ、わかった……」



 アーサーに仮のリーダーに命じられて、シリルの表情が引き締まる。

 双子は夢中になると周りが見えなくなるのを自覚しているのか、大人しくシリルについて周辺の調査に向かった。



『さて、主は防御魔法と身体強化を自分にかけておくのだぞ。初めての体験は心が躍るというものだ、フハハハハハ!』



 まるで悪役のような笑い声を上げながら、アーサーは先頭きってダンジョンに入って行くのだった。

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