クーポン使えないの!?
先日、北海道にいる祖母の長寿のお祝いに、親戚が集まりました。私も含め、ほとんどの親戚が本州住まいなので、どこに泊まるかという問題があったのですが、叔母(母の妹)が「せっかくだから、温泉に入ろう」とホテルの予約をしてくれました。
さて、世の中には「全国旅行支援」なるものがあります。
私は旅行なんて「面倒!」という人間なので、そういう単語があることは知っていても、まったく興味を持ったことがなかったのですが、今回、それを初めて利用することになりました。
最初は、母からのメールでした。「ホテル代割引になるらしいけど分かる? 買い物で使える電子クウポンとか」という唐突な謎メール。そもそもクウポンって何、クーポンでしょ、とまずツッコミ。どうやら長音の打ち込み方が分からないらしいです。
ただそのメールで、私も全国旅行支援の存在を思い出して調べて、ホテルを予約した人じゃないと多分無理そう、と電話。
ええ、電話しました。母とメールでやり取りしても、意味が分からなくなるだけなので、その方が早い。
その後にまた母から電話があり、すでに叔母が申し込みをしていた、という話。だったら最初のメールは何だったんだ、と思ったんですが、母もよく分かっておらず。ただ、「電子クーポンは全部風香ちゃんに任せるから!」と叔母が言っていたらしい。
最初は私もハテナマークでしたが、そういや電子クーポンの使用にはステイナビの登録が必要ってあったから、もしかしてそれのことか? と念のため登録しておくことに。
※このエッセイ書くのに調べたら、ステイナビの登録が必要な地域ってごく少数である様子。
親戚一同とは言っても、私と両親の他に来るのは、叔父叔母夫婦のみ。私以外は皆様高齢者。
私の母親はガラケーだし、父親はケータイに類するものを何も持っていない、今時レアキャラだから無理だとして、でも他に誰もスマホ持ってないなんてことはないだろうから、登録してもたぶんムダになるだろうなー、なんて思っていました。
高齢者だって、パソコンもスマホもガンガン使いこなす人、いますからね。機械関係に強そうな親戚もいるしー、とか思っていたんですが。
旅行当日。
北海道に着いた途端に、色々バタバタしたんですが、祖母や他の親戚と合流しつつ、無事ホテルに到着。予約した叔母が、受付をしています。
「会員登録ってなに!? クーポン使えないの!?」
――聞こえた叔母の声に、「ムダじゃなかったかも」と思いました。
紙クーポンもあるにはあるんですが、使える場所が少なくて、あちこちで使いたいなら電子クーポンの方がいいらしいです。
紙がどうの電子がどうのとやり取りしている叔母のところにいって、会員登録していると言うと、叔母が「は?」という顔をしました。
クーポンのダウンロードは、本来予約した代表者しかできないっぽい(つまりは叔母)けど、私の名前を伝えて対応。
名前変更に、ホテル側もおそらく何かしらの対応があったと思います。面倒をおかけしました。
叔母はと言えば「全部やっといて!」で終わり。親戚一同八人分、QRコード読み込みましたよ。
他にもスマホ持ってる人いましたけど、何というか、電話の応対すら怪しい人たちばかり。いいからガラケーにしとけ。
私がQRコード読み込んでいる側で、電話かけても出ない、そんなの知らん、等々やり取りしておりました。サイレントモードになっていました。
そんなこんなで、クーポン担当していた私。
買い物に行ってクーポンを使うときの手順が、ちょっと面倒なんです。
お店のQRコードを読み取った後、クーポンの使用金額を自分で打ち込み、金額に間違いないか、お店の人にスマホ画面を見せてから、支払い確定、という、デジタルなんだかアナログなんだかよう分からん仕様。
クーポン使うとき、店の人が無言でQRコードの書かれたものを差し出してきて、「ちょっと説明くらいして!」と思ったものです。
何せ、私も初心者。初めてです。クーポンの使い方、目を通しておいて良かった、と思いつつ対応。
QRコード読み込んで金額打ち込んでいると、母と叔母が「あんたなにやってんの?」という目で見てきました。口で言われたわけではないから、私の被害妄想かもしれませんが。
その後スマホを見せて店員とのやり取りで、クーポンを使ったということは理解してくれたらしく、そこから「あといくら?」「どれだけ残ってるの?」と両脇から聞かれました。
金額を答えるとそこからは叔母の独壇場。お土産物色している他の親戚が、「安いのにしておくか」とか言うのに対して「高いのでいいよ!」とか答えて、気付けばクーポン分ピッタリ。プラマイゼロで使い切っていました。
スマホには弱くても数字には強かった叔母でした。
え? 祖母のお祝い?
はい、ちゃんとやってますよ。そこはきちんと叔母がホテル側に伝えていて、ホテル側が色々配慮して用意してくれていました。
ちなみに、親戚の中ののんべえ二人(一人はうちの父)が向かい合わせに座ってしまって、呑みだした二人に、母が「しまった!」と言ってたのが、面白かった。