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150/204

150 陥落寸前らしかった


149話が抜けていました。

アップしました!









 ハピが放った竜巻魔法は、対岸にいたリザードマン達に襲い掛かった。

 だが既に散り散りに逃げていた為、数人を竜巻に巻き込んだだけで終わる。

 そこでやっとハピが戻って来た。


「どうです、蹴散らしてやりましたですわっ」


 自慢げに胸を張るハピには、いつもの言葉を言ってやった。


「今日明日と食事抜きな」


 ハピはアゴが外れんばかりん大口を開けて固まった。


 男爵の部下たちは怪我人を集めたり、湖に残された漁師や部下を救うのに忙しそうだ。

 

 う~ん、どう言い訳したら良いんだろ。

 やっぱり謝罪するべきだよな。


 俺は岸辺にいるマヌの所へ行き声を掛ける。


「え~っと、マヌ。俺の獣魔がちょっとやり過ぎたようだ」


 するとマヌが振り向き笑顔で言った。


「ライ様、何をおっしゃいます。素晴らしい働きでございました。さすが魔物使いの英雄でございます。味方の被害も軽傷程度で最小限で済みました。反対にリザードマン側を見てください。多数の捕虜を残して退散ですよ。こんな圧勝した戦いは何十年ぶりです」


 俺とマヌが会話している最中も、近くに来た兵士や漁師が俺に挨拶をしていく。

 そのだれもが笑顔だ。

 俺を賞賛しているのだ。


 これは結果オーライだろうか


 その後、急にインテリオークは出店契約を結んだ。

 赤字になりそうなのに良くやるな。

 そこまでして人間社会に店を広げたいのか。

 鉱山で金は儲けているんだろうし、赤字でも問題無いのだろう。

 まあ好きにやらせるか。


 その日、街や近隣を観光した後、翌日の朝にはエルドラの街を目指した。

 オーク支配地域に入った時の野営時間に、インテリオークが地元のオークの族長を呼びつけ、何やら指示を出していた。

 ウェイドの街で出店する為の指示らしいが、俺には関係ない事だ。






 そして無事にエルドラの街に着き、依頼を探しにギルドに行くと、そこには勇者パーティーがいた。

 俺を見つけたヒマリが真っ先に俺に駆け寄る。


「ごめーんライ。伝言見たんだけどね。依頼でずっと忙しくてね、全然ここに戻って来れないのよ~。もうバンパイヤがらみの依頼なんて受けるんじゃなかったー」


 聞き捨てならない言葉があったんだが。


「バンパイヤが現れたのか?」


 そこへ残る三人もこちらに来て会話に入って来た。

 そしてハルトが口を開く。


「やあライ、ヒマリの言う通りだよ。バンパイヤが出没したって話があってさ、引き受けたんだけど、三人の内二人は倒せたんだけどな、残る一人が強いのなんのって。さっき退却して来たんだよ。それで今から装備を整えて、もう一度向かうところなんだ」


 すまん、多分そのバンパイヤ、俺を探しに来たんだと思う。

 前回、凄い強敵倒したからな。

 恐らくそれ以上の強敵が俺を倒しに来てるんだと思う。

 是非とも勇者パーティーの全力で倒してほしいぞ。


「ハルト達を苦戦させるなんて、相当上位クラスなんだろうな」


 俺がそう言うとリンが答える。


「私達より先にね、バンパイヤ・ハンターのチームが向かったんだけどね、全滅なのよ。それで私達が呼ばれた訳。もうやんなっちゃうよねえ」


 バンパイヤ・ハンターのチームが全滅って……

 俺はハルトの両肩に手を当て言った。


「ハルト、それはもう君らしか対抗できる者はいないな。頼むからそいつをブチ殺してくれっ」


「お、おう。任せてくれよ。だけどライ、いつになく力入ってるな……」


 そのバンパイヤ、俺へのヒットマンだからな。


「俺もバンパイヤには苦労させられたからな」


 そんな話をして勇者パーティーは出掛けて行った。

 俺がそれを見送り、ギルドの依頼掲示板で仕事を物色していた時、外にいたダイから念話が送られてきた。

 

『緊急とかで、オークの伝令が来ているぞ』


 何だろうかと外に出ると、オークの伝令が直ぐに近付いて耳打ちする。


「ウェイドの街、リザードマン、攻められている」


 緊急の連絡とか言うから何事かと思えば、ダース男爵領の湖の小競り合いかよ。


「そんな小競り合いは、俺達がいた時も有っただろうが。今更いちいち報告しなくても良いよ」


 俺はそう返答したのだが、どうやらそんな生やさしい事態とは違うようだった。


「ダース男爵領、陥落寸前」


 伝令オークその言葉に、俺は返答できなくなる。

 そこへオークの獣車が猛スピードで来て、中からインテリオークが飛び出して来た。


「ライ様、ダース男爵領のウェイドの街が落ちそうです。あの街には建設中の我々の店があり、我々が雇った獣人達もいます。魔物オウドール混成軍団の店なのです。リザードマンごときに舐められる訳にはいきません。直ぐに出兵の準備を!」


 一気にまくしたてられた。

 いやいやいや、勝手に話を大事おおごとにしてねえか。

 たかが建設中の店一軒だろ。

 まあ、蹴散らしに行くのは良いがな。


「分かった。俺達は直ぐに出発する。お前達も準備をして後から来い」


「ははっ」


 そう言ってインテリオークはいなくなる。

 そうした中、ギルド内も騒がしくなってきていた。

 冒険者ギルドにも、ダース男爵領がリザードマンに侵攻を受けていると、たった今連絡が入ったようだ。

 大騒ぎになっている。

 ギルド員が対応に忙しそうだ。

 この様子だと暫くして偵察依頼が出るだろう。


 もしかしたらだが、レンドン子爵が周辺の領主と話し合って、連合軍として兵を出すかもしれないな。

 だがそれには時間がかかり過ぎる。

 現状で陥落寸前ならば、どの道到着する頃には街は陥落している。

 俺達がオーク支配地域の近道をしても五日掛かる。

 それでも街の陥落には間に合わないかもしれない。

 取り敢えず急ぐか。


「馬車に乗り込め、出発するぞ!」


 俺の声に獣魔達が、勇んで馬車に乗り込んで行く。


「よっしゃ、久しぶりに暴れてやるぞ」

「雑魚など蹴散らしてやるのですわ」

『ああ、面倒臭い……』


 俺達は再びダース男爵領の、ウェイドの街を目指すのだった。









 

149話を飛ばして150話を先に投稿してたようです。

取り急ぎ投稿しました。




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― 新着の感想 ―
[気になる点] 前回148話で今回150話、内容的にも1話跳んでいる気がします
[良い点] インテリオーク、アメリカみたいな事やってはる! こちらの出先機関に敵側先制攻撃させて、全力で反撃………そして侵攻wwww
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