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黒い噂と二人の会話
「でっ…でも!!それは只の噂ですよね?」
執事とメイドは また顔を見合わせた。
「……イヴ様は噂だと思われますか?」
「う…今は何とも言えません―――」
実際にその事故を見た訳じゃ無いし…記憶も身体も本物のお姫様と入れ替わってしまったみたいだからなぁ……。
客間その①から アダム王子とルシアの会話が聞こえてきた。
「…イヴの生存を確認しに来たのか?」
「………!!」
隣の部屋から聞こえたアダム王子の声は とても冷たかった。
「な……何故そんな事を…!!私はッ……」
一方でルシアの声は震えていた。
「君がイヴの馬車の事故に関係している事は もう噂になっているんだ」
「…………!!」
「悪いが……もう帰ってくれ」