夏の思い出
「ムカデ」との戦闘シーン? があります。
苦手な方はご注意ください。
青々と繁る木々からは、朝から蝉の声も賑やかです。
青い空を見上げると大きな入道雲が浮かんでいます。
めっちゃ蒸し暑いし。
まさしく夏!
日本の夏!
暑中お見舞い申し上げますm(__)m
水分補給と体温調節に気をつけて、この暑さをなんとか乗り切りましょう!
さてさて。
暑さが続いていた先日に、冬野は神社にお詣りに行くことになりました。
もう少し気温が上がれば「猛暑日」という日のことです。
冬野は暑いのが苦手です。
すぐに気分が悪くなるので(気持ちの問題ではなく、体調的に)、夏は引きこもっていたい派です。
それなのになぜ外出したのかというと。
「風鈴回廊」が目的でした。
冬野が行った神社は、願い事を書いた紙を風鈴と一緒に吊るしていました。
いやー、なかなかよかったです。
たくさんの風鈴が、群青の夏空の下で風に揺れる様子は風情がありました。
涼しい風が吹いているような気さえしました。
まあ、それは完全に気のせいですが。
吹くのも熱風でしたし。
とはいえ、インスタ映えは間違いなしのスポットです。
皆さん、スマホでパシャリ。
もちろん冬野も。
暑さが心配だったのですが、神社の裏庭は大きな御神木の陰になっていて涼しい。ほっと一息です。
もちろん、しっかりとお詣りもしました。
浴衣姿のカップルや、若い娘さんたちを多く見かけました。
浴衣で町歩きが流行ってる?
白地の浴衣が多かったようです。
見ている分にはとても涼し気です。
(着ると暑いけど)
皆さん、とてもお似合いでした。
可愛らしいし、ステキです。
いいですね。夏の浴衣姿(*´艸)
神社に浴衣。
和風な短編でも書きたくなります。
そして、夏の思い出といえばプールや海、テーマパーク、川遊び、夏祭り、山登り、宿題などでしょうか。
子どものころの夏休みはわくわくしました。
特別にどこかに出掛けるわけではないのですが、家でゴロゴロできるのが楽しかった~。
そんな冬野のキョーレツな夏の思い出といえば「ムカデ」です。
百の足と書いてムカデ。
そう、脚がたくさんある、胴体が平べったい、不気味な色のアイツです。
実家の周囲は大きな木に囲まれています。
まあ、早い話が田舎です。
そんな家には出るんです。
ムカデが。夏に。何匹も。
それもなぜか、冬野の部屋に集中的に。
あり得ない。
今だに不思議です。
なんで冬野の部屋ばっかりに!?
そもそも虫は苦手です。
彼らは異星人だと認識しています。
(カブトムシとクワガタムシと蚕ならなんとか。蚕は可愛いと思えます)
それなのに、危険な虫ランキングで上位に入るであろうムカデと、なんで格闘しなきゃならない?
どんな罰ゲーム?
奴が出るのはだいたい深夜です。
冬野は怖がりなので、夜でも部屋を真っ暗にしては眠ることができません(某貞子さんを読んだときには、一晩中、明かりをつけたままにしました)。
常に小さい明かりをつけています。
夜中にかさっと音がすると、ぱっと目が覚めます。
すかさず飛び起きて、紐を引っ張り電気をつけます。
非常時にも常夜灯は便利です。
鴨居の中から(鴨居と壁の間に隙間があったので、鴨居の中とします)、かさりかさりと音がしています。
この音は……奴に間違いない。
冬野に緊張が走ります。
急いで階段を降りて、殺虫剤とハエたたきを準備して戻ります。
音がする箇所に近より、殺虫剤を構える。
奴は殺虫剤をかけた瞬間に、壁を伝って姿を現すのです。
なんなら、跳ねてこちらへ跳んでくるかもしれません。
奴はそれをします。油断はできない!
冬野はいざというときに、すぐに逃げられる体勢です。
3、2、1、殺虫剤噴射!
鴨居の中に噴きつけます。
吸い込まないように息を止めます。
スプレーをかけ続けます。
出ました! 奴です。
詳しい描写は控えますが(書きたくない)、壁を伝いながら胴体をよじり、激しく動き回っています!
ぎゃー! 見たくない!
叫びたい!
でも深夜!
そんな迷惑なことはできません!
ハエたたき越しでも触りたくない!
しかし……殺らなければならないのです。
負けられない闘いがここにある! のです。
だって奴が部屋にいる限り、安心して眠れない。
眠っている間に噛まれるかもしれないじゃないですか!?
顔の上とか這われたら!?
軽くホラーです。
なので、無心で叩きまくります。
奴が壁からボタッと床に落ちる!
うぎゃー!!
胴体をくねらせて逃げようとします。
しかし、ここで会ったが百年目!
逃して物陰にでも隠れられたら、冬野がこの部屋で安心して眠れません!
うわーっ! もうやだよー!
もぐらを叩くゲーム以上に、叩きまくります。
そして……ついに奴の動きが止まりました。
しばらく観察して、完全に動かなくなったことを確認します。
奴をハエたたきで掬い上げて窓からぽいです。
はぁ……。
やっと闘いは終わりました。
勝利の喜びよりも疲労感が残ります。
なにしろ、今は深夜なんです……。
これをですね、一夏に数回も繰り返します。
ホントに勘弁して。
彼らだって懸命に生きていることでしょう。
本当は無益な殺生はしたくはないのです。
奴だって「ええ!? 歩いてただけなのに~」と思っているに違いありません。
しかし、相手のテリトリーに侵入した以上は、殺るか殺られるか。
冬野は、絶対に! 噛まれたくありません!
だから部屋に入ってこないで~!
お願い!
そんな夏の思い出です。
本当に驚くと「きゃっ☆」なんて声は出ませんよね~。だいたいが濁音で叫んでます(*`艸´)